中国・国産の新型貨物用無人航空機が初の試験飛行
【東方新報】中国航空工業集団(Aviation Industry Corporation of China)が、自社製造の貨物用新型無人航空機「HH-100」の初の試験飛行が順調に終了したことを発表した。 「HH-100」の試作機は、12日午前9時16分に陝西省(Shaanxi)の省都・西安市(Xi’an)の藍田空港(Lantian General Aviation Airport)を離陸し、再度着陸するまでの9分間の飛行を行った。 飛行中、機体の装備は正常に作動し、飛行状態は良好で、計画された操縦試験を全て完了した。 同機は中国航空工業集団傘下の西安飛機工業集団(Avic Xi'an Aircraft Industry Group)が開発した商業用無人航空機の一つで、政府が推奨する「低高度空域」のフル活用を進めるための最新型機種だ。最大離陸重量2トン、貨物700キロを運ぶ場合は520キロメートルまで飛行が可能で、それより軽い積載量ではもっと遠くまで飛べる。 双発エンジンを持ち、最大巡航速度は時速300キロ、最高高度5000メートル、機内には4立方メートルの貨物スペースがある。 同機を設計したエンジニアは、この機は資材調達、運用、メンテナンスのコストが低く、積載量が多いなど多くの利点を強調する。この機の部品はすべて国産だ。 同機は、短距離の貨物配送、火災の監視と鎮圧、緊急物資の輸送、通信信号の中継、人工降雨など、幅広い業務への対応が期待されている。 中国航空学会が発行する「航空知識(Aerospace Knowledge)」誌によると、無人輸送機は有人輸送機に比べ、経済的で、平均コストは同じ輸送能力の有人機よりも約10%低いという。また、地上のオペレーターが複数の機体を同時に操作でき、人件費の合理化効果が大きい。 また、無人輸送機は厳しい環境や条件の悪い空港でも運行でき、1日に複数回の飛行が可能で、急な要請にも対応できるなど、利点が多いという。 ちなみに、中国航空工業集団は今回試験飛行した「HH-100」のほかに、幾つかの貨物用無人航空機を設計し、テストを行っている。 その中で最も大型の「TP2000」は、最大2トンの貨物を運ぶことができ、飛行半径は2000キロだ。こちらも来年には試験飛行を行う予定だという。 政府が低高度空域の管理をさらに緩和し、オンライン・ショッピング産業が盛んになれば、無人貨物機はいっそうの発展を遂げるだろうと、業界関係者は期待している。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。