J・K・ローリングはドラマ版「ハリー・ポッター」に「かなり関与している」とHBOのトップが語る
J・K・ローリングはドラマ版「ハリー・ポッター」に「かなり関与している」とHBOのトップが語る
ドラマ版「ハリー・ポッター」の準備が進むなか、HBOは、原作者であるJ・K・ローリングにまつわる問題にも直面している。HBOとMaxのコンテンツ責任者であるケイシー・ブロイスは、現地時間2024年11月12日の記者会見で質問に答え、ローリングがドラマ版の初期開発に「かなり関与している」と明かした。 記者との質疑応答では、ローリングが2020年以来、X(旧Twitter)でトランスジェンダーに対する差別的な発言を投稿して物議を醸している点が言及された。記者はブロイスに対し、ローリングがドラマ版にどの程度関わっているのか、また彼女の「トランスジェンダー問題に対する過激な考え方」が、HBOのキャスティング能力に影響を与えるのかどうかについて尋ねた。 「彼女はかなり関与しています」とブロイスは答えた。「脚本家と監督の選出に深く関わりましたし、キャスティングについても意見があるだろうと思います。脚本家と制作スタッフの選出や雇用には影響していません。ですから、我々はその影響を感じていません」 HBOは以前、ローリングがドラマ版のエグゼクティブプロデューサーを務め、ドラマは原作小説の「忠実な翻案」になると発表していた。 ローリングによるソーシャルメディアの投稿と、それに対する世間からの反発について、ブロイスは過去にも言及している。昨年、HBOがドラマ版を正式発表した直後には、この論争を「ネットでの会話」だと称し、「HBOの優先事項は、何をスクリーンに映し出すかということです。『ハリー・ポッター』のストーリーは非常に肯定的なもので、愛や自己受容について描かれています。それが私たちの優先事項であり、スクリーンに映し出すものです」と述べていた。 HBOは今年、『メディア王 ~華麗なる一族~』でプロデューサーを務めたフランチェスカ・ガーディナーとマーク・マイロッドを本作に起用したことを発表。ガーディナーはショーランナーとエグゼクティブプロデューサーを、マイロッドは複数のエピソードで監督を務め、エグゼクティブプロデューサーも兼任する。しかし、まだキャストは募集の段階で、HBOは9月にハリー、ロン、ハーマイオニー役を演じる子役の公募を開始した。また、HBOはダンブルドア役にマーク・ライランスを希望しているとも伝えられている。 HBOの親会社であるワーナー・ブラザース・ディスカバリーは、特に『ホグワーツ・レガシー』の成功を受け、「ハリー・ポッター」のようなIPの活用を今後の優先事項として繰り返し挙げている。とはいえ、HBOはドラマ版のリリースを急いでいるわけではない。質疑応答でブロイスは、番組のリリース時期や、子役が成長することによる撮影スケジュールの懸念(『ストレンジャー・シングス 未知の世界』が辿った問題)についても質問された。 ブロイスは、2027年初頭に番組を開始できると見積もりつつ、「まだ脚本とキャスティングのプロセスが始まったばかりなので、その点については何も約束できません」と答え、次のように続けた。 「我々が話し合ったアイデアのひとつは、シーズン1とシーズン2の間をすごく狭めて撮影することです。11歳から13歳はというのは子供が大きく成長する時期ですからね。13歳から15歳ぐらいなら何とかなるでしょう。ですから、シーズン間で子役が成長しすぎないように、スケジュールと撮影については考える必要があります。それは考慮すべき点です」 2027年初頭のリリースは、過去に言われていた時期よりも少し遅い。ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのCEOであるデヴィッド・ザスラフは以前、投資家に対し、2026年の配信を目指していると語っていた。だが上述した通り、まだドラマ版は開発の初期段階にあるため、現時点では未確定の部分が多い。
Alex Stedman