滋賀学園高・長崎投手

◇26日　秋季近畿地区高校野球大会・1回戦　滋賀学園3―2大阪桐蔭（ほっともっとフィールド神戸） 　今夏の甲子園ベスト8の滋賀学園高（滋賀1位）は、6年連続センバツを狙う大阪桐蔭高（大阪2位）に逆転勝ちを収め、来春センバツに向けて一歩前進した。エースの最速142キロ右腕、長崎蓮汰投手（2年）は7安打、1奪三振、2四死球の2失点で完投した。 　「大阪桐蔭が一番強いと思っていた」と長崎。あえて組み合わせ抽選会では、藤本主将に「大阪桐蔭を引いてこい」とみんなで要望していたという。試合前には、山口達也監督が「大阪桐蔭とは少年野球チームとドジャースぐらいの差がある。3回まで（スコア）0―0だったら勝ちも同然」と選手に話したという。 　すると、長崎が緩急をつけた投球で3回まで0―0でしのいだ。先制した直後の4回裏に一時逆転を許したが、6回に振り逃げから好機を得ると押し出し四球を含む3四球、8番の主将・藤本聖人右翼手（2年）が左前に勝ち越しのタイムリーを放った。その1点差を長崎が守りきった。 　最速151キロ右腕の森対策としては「あれだけの速球を持っているので、ボールの上をバット通しなさい、と。たたきつけるのは、あれだけのスピードボールだからどうしてもボールの下を振ってフライが多くなるので」と山口監督。5安打ながら、勝負所の一打が勝利を呼んだ。 　夏の甲子園メンバーから残ったのは4選手。甲子園で登板機会のなかった長崎は、変化球の制球力を磨いて秋に臨んだ。自信をつけたカーブを効果的に使って、大阪桐蔭からアウトを重ねた。 　「これは通過点。次、勝たないとセンバツはないと思うので。目標は神宮大会ですが、それも通過点と思って」と長崎。今大会は来春センバツ選考の重要な資料となる。近畿地区の出場枠は6。27日の準々決勝に勝てば、ベスト4となり、2017年の春（第89回大会）以来8年ぶり3度目のセンバツに当確ランプをともせる。