【旬のブドウ】皮に付いてる「白い粉」食べても大丈夫? そもそも皮は食べない方がいい? 【栄養士が解説】
夏から秋にかけて旬を迎えるブドウ。ブドウ狩りを楽しむ人も多いのではないでしょうか。ブドウは世界で1万種以上の品種があるとされ、日本でも巨峰、ピオーネ、デラウェア、シャインマスカットなど多彩な品種が出回っています。この記事では、ブドウの栄養についてクローズアップします。 【画像】ブドウの皮に… これが《白い粉》の正体です!(画像12枚)
ブドウの甘みには即効性の高い体力回復パワーあり
ブドウの主成分は、ブドウ糖(グルコース)や果糖(フルクトース)などの糖類です。そう聞くと「太りやすいのでは?」と心配になるかも知れませんが、カロリー(エネルギー量)はデラウェア1房(果皮・種子を除いた正味重量85g)あたり49kcal。粒が大きめの巨峰で1粒(果皮・種子を除いた正味重量16g)あたり9kcalです(※1)。食べ過ぎない限り、心配しなくてもよさそうですね。むしろ、ブドウ糖や果糖は体内で素早くエネルギー源になるため、疲労回復の効果が期待できます。 。 (※)参照:『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年版』、奥嶋佐知子監修『食品の栄養とカロリー事典 第3版』女子栄養出版部より
皮に含まれる多様なポリフェノールに注目
ブドウの皮には、黒系(巨峰など)、赤系(デラウェアなど)、緑系(マスカットなど)がありますが、色の違いは皮に含まれるポリフェノールのアントシアニン(色素成分)の量によるもの。がんや動脈硬化などの生活習慣病を招く活性酸素を抑える働きがあり、皮が黒や赤の品種に多く含まれています。 ほかにも、皮には渋みの元でもあるタンニンや強力な抗酸化作用のあるレスベラトール、種子にOPC(オリゴメリックプロアントシアニジン)など多様なポリフェノールが含まれています。皮ごと食べるか、皮ごと口の中に入れて口の中で皮を噛み締めるようにして果肉を押し出して食べるのが栄養面ではおすすめ。ミキサーにかけて皮ごとジュースにしたり、皮ごと食べられる品種を選んだりすると、ポリフェノールを余すことなくいただくことができます。
ブドウの皮に付いた白い粉は食べても大丈夫?
ブドウの皮の表面に付いている白い粉状のものは、「ブルーム」と呼ばれる天然の保護膜。ブドウ自身が病原菌などから実を守り、水分の蒸発を防いで鮮度を保つために作り出しているので、食べても問題ありません。抗炎症作用や抗酸化作用の高いオレアノール酸が含まれ、アンチエイジングや薬理作用の研究などが注目されています。見た目や衛生面が気になる場合は洗い落として構いませんが、食べる直前に優しく洗い流すようにしましょう。