「休まなすぎ上司」と「休みすぎ部下」に必要な視点、休暇制度が整っていても「休めない」人がいるのはなぜなのか?
今年の夏は、例年以上に酷暑になるのではないか――。そう巷では噂されている。適度に休まないと疲れが抜けず、パフォーマンスを出せない人も多くいるだろう。 【画像】「休まなすぎ上司」3つの理由、ポイントを見てみよう! 昨今「休み方改革」という言葉が浸透しつつある。ビジネスパーソンが休みを取りやすい環境を作る取り組みのことだ。 しかし政府や会社側が「休め」「休め」と言っても、なかなか従わない人もいる。特にベテランのほうが顕著だ。上位役職者が休まないので、部下たちも休めないという組織も少なくない。
ただ一方で、「休みたくても休めない」「休んだほうがストレスがたまる」という人もいる。それは、どういうことなのか? 大事なことはゴールデンウィークや夏休みなどを分散して取れるようにすることではなく、組織にかかる負荷(ストレス)を正しく分散することだ。 今回は「休まなすぎ上司」と「休みすぎ部下」の2つの視点で、この問題を掘り下げてみたい。組織の負荷分散を考えれば、本当の「休み方改革」が分かるはずだ。
■「休まなすぎ上司」3つの理由 「休め」と言ってもなかなか休まない上司がいる。このような上司が休めない、疲れが取れない理由は何なのか? その理由は大きく分けて3つある。 (1)リーダーシップの誤解 (2)マネジメントの誤解 (3)プライベートの問題 上司が休まない、休めない一番の理由は「リーダーシップの誤解」にあると私は考えている。 リーダーシップについて誤解している人は、過剰な責任感を持っている。部下が成長できないのは自分の責任だと思い込み、ひどい場合は自分がその不足分を補おうとするのだ。しかし、これは根本的な誤解である。
リーダーの役割は、その名の通り部下をリードすること。部下を信頼し、成長を促すことにある。部下が失敗することも含めて、成長の一部だ。しかし過剰な責任感を持つ上司は、部下に任せることができず、すべての業務を自分でこなそうとする。 このようなアプローチは、部下の成長を妨げるだけでなく、上司自身の負荷を増やし、結果としてチーム全体の効率を低下させる。すると、余計にリーダーは休めなくなるという悪循環が起きる。