ビットコイン上昇、従来と異なる複数の点と唯一同じこと
今回のビットコイン(BTC)の強気相場は、いくつかの点で際立っている。ひとつは、ブルームバーグ(Bloomberg)のジョー・ワイゼンタール(Joe Weisenthal)記者が3月6日のニュースレターで説明したように、暗号資産(仮想通貨)コミュニティは分散型金融(DeFi)やWeb3が伝統的な金融にどのような革命をもたらすかという物語よりも、市場の流れに注目してきた。 今回の上昇を際立たせているもうひとつの要因は、米ドルと国債利回りがともに弱含んでいた2020-21年とは対照的に、強含みの兆しにもかかわらず価格が急騰していることだ。 しかし、ひとつだけ変わらないことがある。過去の強気相場と同様、今回の急騰はウォール街のテクノロジー株に対する楽観的な見方を伴っており、その特徴はハイテク株比率の高いナスダック100指数と、より幅広いS&P500指数との比率(NDX-SPXレシオ)が上昇していることだ。 2017年初頭以来、ビットコインとこのレシオは上昇と下落を繰り返し、レシオは暗号資産の数週間前に過去最高値を更新した。今週のビットコインの6万9000ドルを超える記録的な高値への動きは、NDX-SPXレシオが1月下旬に3.6という過去最高値を更新した後のことだ。このパターンは2020-21年に見られたものと似ている。 下のチャートにはっきりと表れている正の相関は、新興テクノロジーである暗号資産への資金流入が、少なくとも部分的には、より広範な株式市場におけるテクノロジー銘柄の見通しに対する楽観主義に依存しているか、少なくともそれを反映していることを示唆している。 チャートプラットフォームのTradingViewによると、ビットコインとNDX-SPXレシオの52週相関係数は記事執筆時点で0.60を超えている。相関関係は2017年初めからほぼプラスで推移している。正の相関は、両方が同じ方向に動いていることを示す。 BTCが2021年後半にNDX-SPXレシオとともにピークに達したことに注目してほしい。その後、両者とも弱気相場に入り、最終的に2022年12月に底を打った。 つまり、ビットコインの先行きを見極めたいトレーダーは、NDX-SPXレシオを注視するとよいだろう。テクノロジー株の相対的な弱さは、ビットコインや暗号資産市場全体の重しになるかもしれない。 現在の暗号資産市場のコンセンサスは、ビットコインが間近に迫った半減による供給削減と、スポット上場投資信託(ETF)からの需要増加により、15万ドル以上への道を歩むというものだ。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:TradingView|原文:This Bitcoin Rally Seems Different in Several Ways, But One Thing Stays the Same
CoinDesk Japan 編集部