「大会のプールはルールを遵守していない」競泳用プール水深浅い問題 競技者からも批判の声「少し早く泳ぐことを求めているが」【パリ五輪】
現在行われているパリ五輪では華やかなメダルラッシュの一方で、開会式の内容をめぐって組織委員会が謝罪を行うなど、様々な面で波紋も呼んでいる。 【画像】エアコンなしの質素なデザイン? パリ五輪選手村の全容をチェック また、厳しい目が向けられているのは競泳用プールにもある。 世界水泳連盟(世界水連)の現行基準では五輪規模の競泳プールに関しては最低でも「2.5メートル」必要とされる中、競泳の会場となっているラデファンス・アリーナは、プールの水深が2.2メートルと極端に浅いことが注目を集めている。 しかし、会場のプールは規定ができる前に承認されていることから、世界水連は「ルールには抵触しない」との見解を示している。 五輪公式サイトなどによると、競泳会場のラデファンス・アリーナは2017年にオープン。世界最大規模のスクリーンを備えているほか、ラグビーチームの本拠地としても使用されている。競泳で使用されるプールは仮設で作られた。 競泳用のプールの水深は近年の主要大会では3メートルが一般的とされるが、ラディファンス・アリーナは2.2メートルと80センチも浅い。深い方が波は起きにくく、記録が出やすいとされており、練習を行った日本選手からも浅さに驚きの声が上がった。 そして実際に競技が始まると選手間からも"浅すぎるプール"に疑問の声が出ている。 今年2月に行われた世界水泳において200メートル背泳ぎで金メダルにも輝いた有力スイマーの一人、ウーゴ・ゴンザレス(スぺイン)のプールの水深についての発言が、スペイン紙『AS』で取り上げられている。 競技後のミックスゾーンで取材に応じたとされるゴンザレスは大会のプールに関して「世界水泳競技のルールを遵守していない」とばっさり。 記事中では「本来水深が深くなればなるほど、水の循環も良くなり、身体が速く滑るようになる」と競技への影響も指摘され、技術的な問題も抱えざるをえないことで、ゴンザレス自身も「少し速く泳ぐことを求めているが、一歩一歩進まなければならない」と通常より浅いプールに対応を求められていることを認めた。 様々な問題が噴出するパリ五輪においては今後も選手サイドから様々な意見が飛び交いそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]