日本プロ野球選手会 ファンと選手をつなぐ新たなコミュニティ「ファントモ」スタート
日本プロ野球選手会は17日から、ファンと選手をつなぐ新たなコミュニティ「ファントモ」をスタートさせた。2004年の球界再編問題では性急な球団削減、1リーグ化の動きに、選手会が「ファンも選手も球界の一員です」のスローガンのもと異を唱え、呼応したファンや世論の力を結集した。ファントモはこの出来事をヒントに、20周年の節目に、球界の課題、社会課題にファンと選手が共に向き合える仕組みで、球界の未来を拓き、もっと面白いプロ野球が実現しようとの発想から企画された。 ファントモでは課題をスピーディにファンとシェアするオンライン上のプラットフォームを主旨に、賛同した企業の協力のもとに構築。先日、選手会が来年度の継続を主体的に行うことを決めたトライアウトの今後のあり方なども、具体的テーマのひとつになり、より多くのファンの知恵やネットワークが集積することで、選手の引退後の選択肢も増えていくことを期待している。 ファントモは、オンライン上のプラットフォームを活動基盤のひとつとしており、システムを維持し、活動を拡大していくために、個人や法人の会員からは寄付という形での会員を募る形式をとっている。現在、球界の課題解決は、選手会とNPBの事務折衝の場が中心になっておりますが、その解決のスピードは、現役生活が限られている選手や、ファンにとっても満足いくものとはなっていないという。ファントモはこうした現状を、さまざまな声や知恵、異なる視点で加速させていこうとする実験的な試みであるが、まず一歩を踏み出してから、改善を重ねていくことの意義を重視、この度のスタートとなった。 日本プロ野球選手会理事長の巨人・丸は「選手と球団が対等な関係を築いていくために努力する一方で、12球団の選手が集う団体として、もっと面白いものが提供できないか、野球を好きになるきっかけがつくれないかを考えるのが一般社団法人としての選手会の役割です。12球団の選手が揃ってのファンイベント、日本シリーズで対戦した選手同士の裏話が聞けるトークショーの実施、試合終了直後の選手からのボイスメッセージ、キャッチボール専用球の開発などは、選手会から始まったアイデアです。野球の楽しみ方にはまだまだ可能性があります。そんな戦力にファンの方々が加わっていただけたら本当に楽しみです」 とコメントした。