中国、モラルハザード回避-碧桂園が危ぶまれていた利払い実施
(ブルームバーグ): 中国の不動産開発大手、碧桂園が危ぶまれていた人民元建て債の利払いを実施し、経営難に陥ったデベロッパーの債務返済を支援する政府系プログラムの発動が回避された。
こうしたプログラムがいったん発動されてしまえば、モラルハザード(倫理観の欠如)が広がるとの懸念が出ていたが、碧桂園の届け出によると、同社は表面利率3.95%と3.8%の社債について、計6595万元(約14億2500万円)の利払いを行った。
碧桂園は9日の発表文で、同社は当初の利払い期限を守ることができず、3日以内に支払えない場合は保証会社が介入すると説明していた。この2本の社債は国有の中債信用増進投資が保証している。
中国当局は2022年、債務返済に苦しむ民間デベロッパーの流動性危機を回避させるプログラムを導入。このプログラムの中核を成しているのが中債信用増進だ。
クレジットインサイツのシニアクレジットアナリスト、ツェリーナ・ツェン氏は「碧桂園が保証プログラムの支払い条項を発動させるのではなく、クーポン支払いのための資金を用意するよう当局から圧力を受けた可能性は否定できない」と指摘。
碧桂園が利払いを怠れば、「保証プログラムの対象となる他のデベロッパーの債務返済意欲が低下する」ことを中債信用増進が懸念した可能性があるとも同氏は話した。
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原題:China Averts Moral Hazard, for Now, After Country Garden Pays
(c)2024 Bloomberg L.P.
Wei Zhou