ドジャースが「トレード市場」で動く…?”新戦力候補”を徹底予想(投手編)
開幕から約2ヶ月が経過したMLB。意外な快進撃を見せるチームもいれば、既にシーズンをギブアップしたチームもある。そんな両者がつながるのがトレードデッドラインだ。今季も圧倒的な強さを見せているロサンゼルス・ドジャースも更なる補強が考えられる。今回はデッドラインでどんな選択肢があるか見ていきたい。(成績は現地時間5月24日時点)
米分析サイト『Fangraphs』のドジャースプレーオフ進出確率は99%を超えているので、現時点でのNLDSロースターを予想してみると以下のようになる。 先発投手陣ではタイラー・グラスノー、山本由伸のワンツーパンチに加えボビー・ミラー、クレイトン・カーショー、ウォーカー・ビューラー、さらには現在先発5番手として奮闘しているギャビン・ストーン、スポット先発をこなしているランドン・ナックがいる。 ダスティン・メイの使い方はまだ決まっていないとされている。とにかく故障者が順調であれば頭数はそろっているので、実施するとしたら全体のパフォーマンスを上げる補強をしたい。 ブルペンでは故障者が全員健康に復帰するという前提に立てば補強は必要ない。しかし、高齢の投手が多く、8月以降の故障リスクも考えると、確立された投手を1人か2人獲得するべきだ。 上記を踏まえ、プレーオフに備えてドジャースはどのような補強に動くことが考えられるのか、先発投手、救援投手の補強候補を予想した。
先発投手の補強候補予想
■ジャスティン・バーランダー ※FAまで半年(プレイヤーオプション付き) ERA 3.60, ppERA 4.22(85位/154人), Stuff+ 123, K-BB% 8.6 ※Stuff+: 投球をその物理的特徴のみから評価した指標。平均は100 ※ppERA: 球質・コマンドを含めた指標であるPitching+ から算出した予想防御率。リーグ平均は4.13 サイヤング賞3回受賞、オールスター9回選出の「生きる伝説」バーランダーは、今季1カ月弱出遅れたものの、復帰後は先発投手としてソリッドな活躍を見せている。 今季で41歳を迎え球速に衰えが見え、空振り率・奪三振率が下がっているのは気になるが、球質を示す「Stuff+」では123と依然優秀な値を保ち、5月12日のデトロイト・タイガース戦では7回無失点8奪三振とまだ一線級のパフォーマンスができることを見せている。 ポストシーズンでの経験も豊富で通算37先発、防御率3.58としている。現地24日時点でヒューストン・アストロズは23勝28敗、AL西地区4.5ゲーム差の3位としていることから、デッドラインで売りに回る際にはターゲットに浮上する可能性がある。 ■ニック・ピベッタ ※FAまで半年 ERA 3.60, ppERA 3.93(44位/154人), Stuff+ 136, K-BB% 28.3 ボストン・レッドソックスの先発投手であるピベッタは今季先発投手として良いシーズンを送っている。開幕後に右屈筋の張りで故障者リスト入りしたが、復帰後はフォーシーム、スイーパーを武器に対戦打者の3割以上を三振に切っている。 ホームランを打たれることが多いことを除けば実力面ではデッドライン最高の先発投手になるかもしれない。現在26勝25敗でワイルドカード圏内まで1.5ゲームとしているレッドソックスが崩れることがあれば、間違いなくトレードに出されるだろう。 ■菊池雄星 ※FAまで半年 ERA 2.64, ppERA 3.85(32位/154人), Stuff+ 109, K-BB% 20.3 トロント・ブルージェイズの菊池雄星はキャリア最高のシーズンを送っている。全体的にコントロールが改善しており、フォーシームをゾーン高めに投げ、スライダーをゾーン低めに集めることができている。 これにより昨季から被本塁打が半分近く減少しており、これが成績好転に大きく貢献している。また、元々空振りを取る能力がありプレーオフでは有力な投手となり得る。 23勝27敗でAL東地区最下位、ワイルドカード圏内まで4ゲームにつけるブルージェイズは状況が好転しない限りチーム再編に踏み切ると見られ、市場で少ない速球左腕である菊池は引く手あまたとなるかもしれない。