ソフトバンク・小久保監督 AI導入する打撃部門コーチ改革の意図は…
「心」は人間、「技」はAIの分業制だ。ソフトバンクの小久保裕紀監督(53)は13日、筑後ファーム施設で行われている秋季キャンプを視察。“AIコーチ”導入となる来季の打撃部門コーチ改革の意図を明かした。 25年のコーチングスタッフが8日に発表され、1~4軍の打撃コーチは1人ずつ。動作解析部門「R&Dスタッフ」が各軍に配置される。指揮官は「2人おってもいいけど、1軍監督が打撃コーチに求めることを整理した」と経緯を語った。 「1軍の舞台では打撃フォーム固めや技術指導はしない」の前提から各軍1人制となった。1軍の村上打撃コーチには主に(1)練習メニューの作成(2)打順の提案(3)相手投手の攻略法の3つを求める。さらに選手のメンタルサポートも期待。「声を出した盛り上げや打席に向かうムードづくりなどメンタル的な後押しが一番」と主に「心」の部分を担当する。 それ以外を科学的アプローチの専門家でもある“AIコーチ”に託す。「選手の心理、どうしたら自信を持っていけるかが大事。技術指導はR&Dが担当し、得点力アップのための練習につなげる」と役割を明確化させた。明石2軍打撃コーチは来季、R&D担当へ配置転換するなど、てこ入れは進めており「長谷川(勇也)、明石たちの仕事は増えるよね」と体の動きや使い方を数値化し、分析する元打撃コーチのサポートに期待を寄せる。 本格始動となる来春のキャンプを前に選手への理解を求めて説明するという。1軍監督就任時に掲げた3つの公約の中には「最先端テクノロジーを取り入れた指導」との指針がある。有言実行し、来季はリーグ2連覇と日本一奪回を目指す。 (井上 満夫) ≪GG賞の周東らに賛辞≫ H…小久保監督がゴールデングラブ初受賞の周東、山川、栗原の守備の成長ぶりを称えた。ホットコーナーを託した栗原は「送球が安定したよね」とし一塁の山川には「(王)会長との約束を果たしたよね。深く守るから、捕れる範囲が広い。守備率も高かった」とうなずいた。中でも中堅・周東への賛辞は、止まらなかった。「周東のセンターは年間通して文句なしのトップです。何本、相手の安打が減ったか。全盛期の秋山(幸二)さんくらいあったんじゃないか」と興奮気味に振り返っていた。