ボクシング 寺地拳四朗、ロサレス戦へ公開練習 減量苦から解放されたエネルギー満タンの〝ニュー拳四朗〟で世界2階級制覇だ
プロボクシングの前WBA、WBC世界ライトフライ級統一王者で、現WBC世界フライ級1位の寺地拳四朗(32)=BMB=が27日、練習拠点にしている東京・練馬区の三迫ジムで同級2位のクリストファー・ロサレス(29)=ニカラグア=との王座決定戦(10月13日、東京・有明アリーナ)に向けた練習を公開した。フライ級転向初戦で減量苦から解放され、エネルギー満タンの〝ニュー拳四朗〟で世界2階級制覇することを誓った。 ライトフライ級時代よりも一回り体格が大きい寺地は、シャドーボクシング、ウイービング、ミット打ち、サンドバッグ打ちを各1ラウンド披露。軽快な動きで好調をアピールした。 「スパーリングに関してはすごく良くなっているんで、自信もついてきて、勝てる自信がすごく上がっている感じはします」 1月にエディオンアリーナ大阪で、1度ずつのダウンを奪い合う激闘の末、WBA世界ライトフライ級1位、WBC世界同級2位だったカルロス・カニサレス(ベネズエラ)に2-0の12回判定勝ちし、WBC王座4度目、WBA王座3度目の防衛に成功。慢性的な痛みを抱えていた右拳の手術を1月に受け、5月からパンチを打つ練習を始め、6月にはスパーリングを再開した。 当初はライトフライ級で4団体統一を目指す意向を示していたが、他団体王者との交渉が難航。減量が厳しく、さらに、WBC世界フライ級王者だったフリオ・セサール・マルティネス(29)=メキシコ=が王座を返上し、スーパーフライ級へ転級することをWBCが5月22日に発表したことで、王座決定戦に出場し、世界2階級制覇を目指すことを決断した。 右拳の状態は「特に違和感はなく、本気で殴れているんで」と問題ない。ライトフライ級のリミットは48・9キロで、フライ級は50・8キロ。この1・9キロの差については「(体重を)落とせるか、落とせないかのプレッシャーはだいぶ減ったんで、気持ちの面的にはすごく楽にはなりました。めちゃめちゃ順調。(リミットまで)あともう3キロぐらいなんで、もう全然いけるぐらい」と笑顔を見せた。 ライトフライ級時代の2022年以降は、試合の約1週間前から前日計量まで酵素ドリンクのみで過ごす〝断食減量〟を行い、無理やり体重を作ってきた。今回は最後まで食事しながら減量をする予定で、加藤健太チーフトレーナー(38)は「体にエネルギーがある状態でリングに上がるっていうのがテーマ。ライトフライのときはそのエネルギーさえも体に蓄えていたら(体重が)落ちない状態だった」と説明した。「フライに上げるタイミングとしてはすごい良かったかなと思います」とうなずいた。