【パンの赤ちゃん】花澤香菜が語る「これを観てパンが食べたくなってもらえたら最高です!」
パンが食べたくなってもらえたら最高
◆パンが食べたくなってもらえたら最高◆ ――クリームパンの赤ちゃん1の、お気に入りのシーンはありますか? 花澤 クリームパンの赤ちゃんが、泥棒にどうやって反撃するか考えるシーンです。顔がどアップになるんですけど、ボ~っと考える描写がすごく好きで、そこだけずっと観ていたいくらいかわいいです。声もボ~ッとした感じの声を当てているので、そこも含めて楽しんでほしいです。 ――市川監督がとあるインタビューで、『不思議の国のアリス』に出てくるヤングオイスターのお話を例に挙げ、自分たちが食べられてしまうことに気づかずワクワクする、牡蠣の赤ちゃんたちの「無自覚」さにキュンとすると答えていたのですが、花澤さんは「パンの赤ちゃん」のかわいさについてどんな考えですか? 花澤 「無自覚」ということを聞いて、「なるほど!」と思いました。パン屋さんに行くと、実際にパンたちが無自覚に私を刺激して来ます。「食べて!」って(笑)。 ――花澤さんご自身、どういうものにかわいさや魅力を感じますか? 花澤 いろんな瞬間に「かわいいな」と思ってしまう方で、それこそパンを見ると無条件でかわいいって思うし、どんなに歯が折れそうなほど堅いパンをかじっている瞬間でも、「こいつめ~」って思いながら嬉しくなります。逆にあまりかわいいことをアピールされると引いちゃうところがあるので、そういう意味では市川監督がおっしゃったと言う「無自覚」にはとても共感します。かわいさとは、見た目だけではなく、シチュエーションや表情、リアクションによって感じることもあります。 ――では、花澤さんが考えるパン屋さんの魅力は? 花澤 パン屋さんは一軒ごとのストーリーを感じます。本作のパン屋さんも、店主が営む個人経営の小さなパン屋さんで、実はパン屋さんの店主も私が兼ね役で担当させてもらっているのですが、学生時代にパン屋さんでアルバイトをしていた時はレジ打ちばかりで、パンを作る工房に入ることに憧れていたので、役でそれを叶えることができたことも嬉しかったです。今もパンを作っているところを観るのが好きで、ベーカリーカフェに行くと工房がよく見える席を陣取りますし、テイクアウトの時もレジの脇から奥の工房に「ありがとう」って、いつも小さく一礼しています。 ――パン屋さんへのリスペクトがすごいです。 花澤 だって朝早くからの仕事だし単価もそんなに上げられない。今は小麦も高いのに。頑張ってくださっていると思うと、頭が下がる思いです。今もどこかでパン屋さんがパンの赤ちゃんを生み出していると思うと、「ありがとう」という気持ちでいっぱいです。 ――パンはとても親近感あふれるモチーフですよね。 花澤 「パン」と付くものは何でも手に取ってしまって、愛用のポーチもパン関係のグッズです。『パンの赤ちゃん』はこのままキャラクターグッズになりそうでワクワクします。クリームパンの赤ちゃんはプニプニ素材のキーホルダーがいいなとか、パンの匂いがしたらいいなとか、UFOキャッチャーの景品であったらやっちゃうなとか、いろいろな思いを馳せています。 ――では最後に、どんな人に『パンの赤ちゃん』を楽しんでほしいですか? 花澤 小さい子が夢中になって観てくれたら嬉しいですし、これを観てパンが食べたくなってもらえたら最高です。パン好きの方なら、きっとすでにどこかでパンの赤ちゃんの情報を仕入れて「観よう」と思ってくれていると思いますが、そのパンの赤ちゃんを日々生み出している全国のパン屋さんの方にも、パンの赤ちゃんたちがこんなにも元気に活躍しているところをぜひ観に来ていただきたいです! 取材・文/榑林史章 (C)CHOCOLATE
榑林 史章