シカ肉でドッグフード...福井の起業家が坂井のベーカリーで販売
ドッグランを併設する福井県坂井市のベーカリーショップ「パンテス春江店」で、県内の起業家3人がそれぞれ開発した、県産シカ肉を使ったドッグフードを販売している。 パンテスを経営する今井薫さんがシカ肉パン(3個入り500円)を、飲食店など経営の大岡亮平さんは新会社を立ち上げて「関節ケア」や「腸活」「アンチエイジング」にそれぞれ効果があるという食材を加え、3種類の美容健康食(各1袋120グラム700円)を商品化した。坂本雅利さんはあばら、肩甲骨、肉のジャーキー(各1袋千円)を作り、起業準備を進めている。 全国的にシカの食害が問題となっている。3人によると、県内で年間1万頭以上のシカが駆除される一方、活用されるのは500頭程度という。廃棄される肉を有効活用しようと商品化に取り組む中で知り合い、本格販売に先立って昨年12月14日に同店で販売会を開催。ペットの犬を連れた客たちが買い求めていた。 大岡さんと坂本さんは人向けにシカ肉加工品の開発も進めるという。ともに県内で加工施設を造る予定で、県内猟師の収入増にも貢献したい考え。今井さんは福井店、敦賀店でも、これらの商品を販売していくという。 3人は「いただいた命を有効に使い、食を通じて自然環境を考える機会にしたい」と話している。