津波被害から間もなく14年「維持管理が課題に」震災遺構の大川小学校『タイル落下した外壁』の修復工事始まる 宮城・石巻市
東北放送
あと2か月で東日本大震災の発生から14年となる中、新たな課題です。宮城県石巻市の震災遺構・大川小学校で、校舎外壁のタイルが落下したことを受け、市は7日から修復工事を始めました。 【写真を見る】津波被害から間もなく14年「維持管理が課題に」震災遺構の大川小学校『タイル落下した外壁』の修復工事始まる 宮城・石巻市 大川小学校では、12月19日に校舎の南東側にある外壁のタイルが幅3.5メートル、高さ1.6メートルにわたって落下しているのが見つかりました。 これを受け、7日午前、石巻市の担当者と業者が現地を確認し、落下したタイルを取り除いていきました。8日以降、接着剤を注入して他のタイルが剥がれ落ちるのを防ぐ応急工事を行い、その後、タイルが落下した部分の修復工事に取り掛かる予定です。 石巻市震災伝承推進室 鈴木良彦室長: 「これ以上(被害が)拡大しないように、この部分については早急に対応していきたい」 大川小学校では、震災の津波で児童と教職員合わせて84人が犠牲となり、被災した校舎は2021年から震災遺構として公開されています。 7日は、震災の津波で大川小の3年生だった妹の未捺さんや多くの友人を亡くした只野哲也さんが作業の様子を見守りました。 大川小で妹を亡くした只野哲也さん: 「どのように安全管理、対策をすれば、もっと多くの学びをこの校舎で活用していけるのかというところも踏まえて、まもなく14年目なので皆さんと意見交換して僕たちは団体として何ができるのかしっかり考えていきたい」 今回の補修工事は、タイルが落下した場所を中心に行われる予定で、他の箇所の工事については未定だということです。 大川小学校について、石巻市は、これからも大きな手を加えずに保存していく方針ですが、危険な場所が見つかり次第対応していくと説明しています。14年前の津波被害に加え、今後は老朽化が懸念される中、どのように維持管理していくのか難しい課題に直面しています。
東北放送