ヤマハ発動機本社に立ち入り検査 国交省、認証不正受け
自動車などの大手5社で大量生産に必要な「型式指定」の認証不正があった問題で、国土交通省は5日、磐田市のヤマハ発動機本社で、道路運送車両法に基づく立ち入り検査を始めた。トヨタ自動車に続き2社目。ヤマハ発は生産中のモデルを含む二輪3車種で不正が判明した。国交省は検査の結果を踏まえて行政処分が必要かを検討する。 同日午前9時10分ごろ、国交省の担当者4人がヤマハ発本社に入った。約7時間にわたって、担当の社員や幹部へのヒアリング、試験データや社内規定の確認などに取り組んだとみられる。6日も検査を続け、不正が行われた実態の把握につなげる。 ヤマハ発によると、2020年8月から販売している大型スポーツバイクの旗艦モデル「YZF―R1」の騒音試験で不正が発覚し、出荷を停止した。試験前にマフラーを一定程度劣化した状態にする際、法令の規定よりも低いエンジン出力で調整した。スポーツバイク「YZF―R3」とスポーツスクーター「TMAX」2車種の旧モデルでも、クラクションの音圧試験で提出する書類に不備があった。 同社は「お客さま、お取引先さまをはじめステークホルダー(利害関係者)の皆さまの信頼を損なうこととなり、心よりおわび申し上げる」と、改めてコメントを出した。 国交省は近く、スズキなど残る3社にも立ち入る方針。各社とも安全性に問題はないとしているが、検査と平行して不正があった車種が保安基準を満たすかどうか試験する。
静岡新聞社