米選挙、外国政府がAI利用し偽情報拡散も-バイデン政権高官が警告
(ブルームバーグ): バイデン米政権の高官によれば、米大統領選を前に外国政府が人工知能(AI)を利用し有権者の間に偽情報を広めるリスクが高まっており、特にロシアが最大の脅威となっている。
ヘインズ国家情報長官は15日、上院情報特別委員会が開いた選挙関連の安全保障に関する公聴会で、ロシアや中国、イランなどの敵対的な国は、米国の民主プロセスに混乱を生じさせる工作を進めようと世論調査情報のような重要なデータを求めていると指摘。ロシア政府がこうした工作活動を「米国を分断させる手段と見なしている可能性が最も高い」と述べた。
大統領選と連邦議会選まで半年を切った米国では、選挙を巡る混乱が最大の懸念事項として浮上。ヘインズ長官によると、ディープフェイク画像の作成・大量配布を可能にする新たなAIテクノロージーは、投票プロセスの完全性に深刻なリスクをもたらしている。
同委員会のウォーナー委員長(民主)は、最大級のソーシャルメディアプラットフォームが偽情報対策に「全く無関心」で、虚偽のコンテンツを排除する取り組みを減らしたところもあると懸念を表明。ソーシャルメディア各社からヒアリングを行う予定だと話したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
原題:AI Raises Risk of Foreign Meddling in US Election, Officials Say (抜粋)
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Steven T. Dennis, Jamie Tarabay