架空取引で逮捕された投資ファンド元代表、不正支出先の「名門御曹司」に政官界が注目する理由
みずほ銀行出身エリートの逮捕
東京地検特捜部が10月29日、ファンド運営会社「IDIインフラストラクチャーズ」(IDII)の埼玉浩史元代表を逮捕した。 【マンガ】「長者番付1位」になった「会社員」の「スゴすぎる投資術」の全容 日本興業銀行(現みずほ銀行)出身のエリートで、花形の電力業界を担当後、IDIIの設立に関与。業界では電力自由化の波に乗り、積極的な投資を展開する「やり手」として知られていた。 逮捕容疑は知人の経営する会社との間で業務委託契約を結んだと装い、約4260万円を不正に支出させたというもの。 資金の大半は、埼玉容疑者が実質支配する海外法人に流れた疑いがある。 また、高級クラブで官僚接待を繰り返していた疑いもあり特捜部は「官僚ルート」も視野に入れている。
名門御曹司に影
一方、政官界が注目しているのは、不正支出先の「知人の会社」である。 10月1日に家宅捜索を受け、事件関係者となったのはエネルギー関連の研究所を経営する廣瀬和貞氏だ。 こちらも興銀出身のエリートで米大学に留学して経営学修士を持つ。米格付け会社を経て独立し、経産省エネルギー関係の委員を務めるなど人脈も実績もある。 実家の廣瀬家は大分県の名門で本人は12代目。 叔父に経産省OBで元大分県知事の広瀬勝貞氏と、朝日新聞OBで元テレビ朝日会長の広瀬道貞氏がいる。事件への関与があったのか否か。 名門御曹司の行方が気になる。 「週刊現代」2024年11月16日・11月23日合併号より
週刊現代(講談社・月曜・金曜発売)