衝撃のSHOEI「バリ伝 グンヘル」発売は民意の反映だった!? メーカーに企画背景を聞いた
「X-Fifteen グン」GPライダーに似合うのは最高峰モデル
SHOEIが今回発売する「グンヘル」には2タイプある。このうち「X-Fifteen グン」は、フラッグシップ・フルフェイスのX-Fifteenに、バリ伝の作中でグンが愛用するヘルメットのグラフィックをモチーフとしたデザインを施してある。 X-Fifteenはマルク・マルケス選手などのMotoGPライダーも愛用するヘルメット。当時のロードレース世界選手権最高峰クラスだった500ccクラスに参戦し、その初年度にチャンピオンとなったグンが、2024年現在に被るとしたらコレしかない! バリ伝連載当初からの約40年間で、ヘルメットは着実な進化を遂げており、帽体のフォルムやシールドの形状は1980年代と意外と大きく異なるし、現行モデルにはベンチレーションも配されている。 そのため製品のグラフィックは、作中のヘルメットを完璧に模したわけではなく、X-Fifteenのフォルムに最適化しながら、「グンヘル」のイメージを最大限に高めてある。 もちろんSHOEIロゴは、漫画に描かれているのと同じ、黒地に白文字の仕様(特に連載後半は枠だけ描かれていることがほとんどだが……)。どこからどう見ても「グンヘル」だけど、不思議と現代的な雰囲気もあり、往年のバリ伝ファンだけでなく現代のライダーにも好まれそうなルックスだ!
「Z-8 バリバリ伝説」原画を散りばめた超斬新ポップスタイル!
正統派レプリカグラフィックの「X-Fifteen グン」に対して、もうひとつ用意されている「Z-8 バリバリ伝説」は、軽量コンパクトなプレミアムフルフェイスのZ-8をベースに、「グンヘル」のグラフィックラインと、実際の連載漫画で描かれた数々のシーンが配されている。 かなり斬新なデザインだが、SHOEIはこれまでもポップで個性的なグラフィックモデルを多く手がけており、例えばZ-8ではウォールアートの世界観を取り入れたミューラル(2021年8月末受注終了)が大人気となった。 今回の「Z-8 バリバリ伝説」も、デザインはSHOEIが主導。ベースとなる「グンヘル」のラインを、一部ではコマ割りとして使いながら、ひとつの作品としてまとめ上げている。 SHOEIによる製品の発表当初に公開された画像では、公道バトルが中心の第一部と全日本ロードレース選手権を戦う第二部のシーンが多めに感じられたが、実際には第三部の世界選手権まで、各シリーズの名場面がまんべんなく網羅されている。 場面セレクトはSHOEIサイドが主導したようで、「単行本は全38巻にもおよび、ハズせないシーンというのは本当に膨大。しかもファンそれぞれに好きなシーンは異なるでしょうから、どのシーンを使うか提案するのは大変でした」とのことだ。 製品には、先ほど触れた「カメッ!」や「三点支持コーナリング!!」、あるいは「ぐりっぷしろーっ しねーと カレーライスにして 食っちまうぜ!!」のセリフもある。頭頂部には、ヒデヨシ(聖秀吉)との名シーンまで!! なんて具合に、コアなファンでなくてもつい熱くなってしまうのが「Z-8 バリバリ伝説」。とはいえこちらは、漫画を帽体グラフィックに取り入れるという斬新なアイディアも魅力で、バリ伝好き以外にも人気となりそうだ。 レポート&写真●田宮 徹