エアバス、今年通期の納入目標770機に引き下げ-業績予想も下方修正
(ブルームバーグ): 欧州の航空機メーカー、エアバスは今年通期の業績予想と航空機の納入目標を下方修正した。ジェット機需要は記録的水準にあるものの、長引くサプライチェーンの問題で重要な部品の調達難が続いていることが打撃となった。
24日の欧州市場での取引終了後の発表によると、同社は現時点で今年の納入機数を770機と予想。従来の目標は800機だった。ギヨーム・フォーリ最高経営責任者(CEO)は記者団との電話会議で、状況は好転しておらず、目標の調整が必要になったと語った。
フォーリ氏はアナリストとの個別の電話会議で、最近は特にジェットエンジンの供給がボトルネックとなっており、見通し引き下げにつながったと説明。「われわれが予期していなかった新たな状況だ」と指摘した。
今年通期の調整後EBIT(利払い・税引き前利益)見通しは55億ユーロ(約9400億円)と、最大70億ユーロとの従来予想から下方修正。また、調整後フリーキャッシュフロー見通しは約35億ユーロに引き下げた。
エアバスは、単通路機A320の月間生産機数を75機とする目標についても1年先送りし、2027年とした。米ボーイングも737型機の月間生産ペースを大きく落としており、エアバスのより保守的なアプローチが新型機不足の一段の深刻化につながりそうだ。
エアバスが納入機数の年間目標を引き下げるのは、22年以来2回目。4月末に発表された1-3月(第1四半期)決算では、800機の納入目標をあらためて表明していた。
エアバスは7月30日に1-6月(上期)決算を発表する。同社の株価は今年に入り6%余り下落。一方、ボーイングは年初来で約31%下げている。
原題:Airbus Cuts Guidance as Supply-Chain Snags Continue to Bite (3)(抜粋)
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Benedikt Kammel, Siddharth Vikram Philip