中国からの刺客 BYD新型EVスポーツセダン「SEAL(シール)」販売開始
攻めのセダン、めざせEVトップランナー
時代の潮流は、ご存知の通り大きなSUVにむいている。しかし、BYDが「ATTO3(アットスリー)」、「DOLPHIN(ドルフィン)」に続いて、自信たっぷりに送り込んできた最新フラッグシップモデルの「SEAL(シール)」は、セダンである。しかもスポーティセダン。 【写真】中国からの刺客 BYDシールの画像をみる (33枚) 発表会に登壇した東福寺社長はシールの強みについて、「卓越した性能もさることながらスタイリングが素晴らしい」と語った。 新型車の発表となると、どうしても走行性能や装備、価格などにクローズアップしてしまいがちだが、「ウチのクルマ、カッコいいでしょ!」というアピールは新鮮で潔さを感じるとともに、国内市場でのさらなる認知、イメージの向上を図るBYDにとって、スタイリッシュであることは最も大切な要素であると再確認した。
強めの大型新人
BYDシールの魅力は前述のスタイリングだけではない。 細い板状のバッテリーを無数に合わせたブレードバッテリーはリン酸鉄を採用、低い発火性により安全を守る。航続距離も後輪駆動モデルで640km。出力面で不利なリン酸鉄バッテリーを採用しつつ、他のBYDモデルと比較しても高い充電性能も有しており、バッテリーメーカーとして面目躍如である。 四輪駆動モデルでは高度な制御システムにより強力な加速性能を誇ると同時に高効率化も実現。さらに充実した運転支援システムのほか、幼児置き去り検知器や日本限定の誤発進抑制システムも搭載。 「PERFECT OR NOT?」というキャッチフレーズに相応しいクルマに仕上がっているとのこと。
魅力的なプライスタグ
今回、日本に導入されるのは、後輪駆動のベースモデル BYDシールと四輪駆動のBYDシールAWDの2グレード。価格は、後輪駆動モデルが528万円、四輪駆動モデルで605万円(いずれも税込)となっている。 最初の1,000台は、「導入記念キャンペーン特別価格」とされ、後輪駆動モデルが495万円、四輪駆動モデルは572万円と、魅力的なプライスを実現。現在申請中の「CEV補助金」がアット3と同レベル(35万円)で適応された場合、後輪駆動モデルは460万円となり、コストパフォーマンスは最強レベルに。 納車開始時期は後輪駆動が7月末ごろ、四輪駆動は8月末ごろを予定。 東福寺社長によると、もうすでに400人ほどの購入検討者が控えているそう。BYDのフラッグシップモデルの日本における躍進に注目だ。
AUTOCAR JAPAN(執筆/撮影)