再配達をよく利用するのですが、なぜ「追加料金」がかからないのでしょうか?仕組みを教えていただきたいです。
なにげなく利用している宅配便の再配達ですが、追加料金がかかっていない点は見落としがちです。1回だけでなく複数回再配達を依頼しても追加料金は原則かかりません。宅配便の再配達で追加料金がかからないのはなぜなのでしょうか。 今回は、再配達を無料で依頼できる理由や、「物流の2024年問題」について解説していきます。
再配達が無料である仕組みとは
現状、再配達はサービスの一環として無料で行われています。 「送料無料」とうたっている商品の場合、商品価格に送料やコストが上乗せされているケースがあります。中には、一時的なキャンペーンなどで商品を販売している会社が負担している場合もあるでしょう。 一方で再配達は現在無料のサービスとして提供されていますが、その背景には人件費や燃料費などもろもろのコストがかかっており、実際には配送会社などがそのコストを負担しています。これまではサービスとして無料で実施できていましたが、新型コロナウイルスの流行などによりオンライン上での買い物が増え、配達の需要は増加しています。 そのなかで、宅配便の再配達はCO2排出量の増加やドライバー不足の深刻化など、重大な社会問題のひとつとなっており、国としてもこの状況を改善するためにさまざまな議論や取り組みが進められています。
再配達有料化の可能性や時期とは?
それでは、今後再配達は有料になるのでしょうか。 物流業界の労働環境改善や効率化を目指すため、再配達削減について議論は続けられていますが、再配達有料化の明確な方針や実現時期はまだ決まっていません。 公益社団法人全日本トラック協会によれば、2024年4月からトラックドライバーにも時間外労働の960時間上限規制と改正改善基準告示が適用され、労働時間が短くなります。この影響により、今よりも配達できる量が減る可能性が懸念され、「物流の2024年問題」と呼ばれています。 国土交通省によれば、現在の形態の宅配便サービスは開始されて50年ほど経過するといわれており、近年は通販・EC等の拡大により、平成22年度は約32.2億個だった宅配便の取扱個数が、令和4年度には約50.6億個と1.5倍ほど急激に伸びています。 また、令和6年4月期に実施されたサンプル調査では約1割が再配達で、これを労働力に換算すると年間約6万人のドライバーの労働力に相当するそうです。 物流の2024年問題の解決策として、標準的な運賃などの収受や、運送以外に発生する料金の収受などが検討されており、再配達料も該当する可能性があります。内閣官房の「物流革新に向けた政策パッケージ」では、再配達「半減」に向けた対策が講じられるなど、今後も宅配便の再配達削減に向けてさまざまな議論が続けられる可能性は高いでしょう。
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