富士山登山鉄道撤回の山梨県、富士トラムでの通年営業や5合目高級ホテル誘致も見直しへ
富士山の麓と5合目を結ぶ自動車道路「富士スバルライン」に軌道を整備し次世代型路面電車(LRT)で結ぶ「富士山登山鉄道構想」を撤回し、新たな交通システム「富士トラム(仮称)」に切り替える方針を打ち出した山梨県が、想定していた冬季も含む通年営業、高級ホテル誘致などを見直す考えであることがわかった。富士吉田市の堀内茂市長が26日に報道陣の取材に応じ、このほど長崎幸太郎知事と協議した際に伝えられたと明らかにした。 【画像】山梨県が富士山5合目までのアクセスとして検討する新しい交通システム「富士トラム」のイメージ 山梨県は26日、堀内市長に対する担当者による富士トラムの説明を富士吉田市役所で行った。説明を受けた堀内氏は「詳細は分からないため実用化できるかは何とも言えない」としたものの、「鉄道をやめ、自然破壊を最小限にする輸送案が出たことはよかった」と評価した。さらに、同市が提案している自動運転の電気自動車(EV)バス方式と「比較して選ぶべきだ」と語った。 さらに長崎氏から「通年営業はしないことと、5合目の再開発は最小限にしてこのため高級ホテルの誘致もない」ことが冨士トラムに関連して提案されていたことを明らかにした。そのため「富士山の自然を壊してはならない」としてLRTに反対していたが、富士トラムについては「反対する理由は難しい」との見解を示し、今後も協議していく姿勢を示した。