護摩壇山でナラ枯れ広がる ここ3年に集中、和歌山
ここ3年、ブナの仲間が枯死する「ナラ枯れ」が、護摩壇山(1372メートル)やその周辺の高地で目立っている。ミズナラの被害が多く、森林公園の遊歩道沿いや道路沿いでも大木が枯れている。公園管理人は「枝が落ちる可能性もあるので注意してほしい」と呼びかけている。 【【動画】秋の味覚 モクズガニ 富田川で漁始まる、和歌山県紀南の記事はこちら】 ナラ枯れは、カシノナガキクイムシという昆虫がナラ菌という病原菌を媒介することによって発生する。 和歌山県森林整備課によると、紀南(田辺市、みなべ町、上富田町、白浜町、すさみ町)の平地では十数年前からナラ枯れが始まり、2020年ごろに収束している。平地の被害地域ではそれぞれ5年ほどで被害が落ち着いたが、標高千メートルを超える高所では予想がつきにくいという。 管理人によると、遊歩道沿いで昨年以前に枯れた木は県が伐採する予定だが、葉が全て落ちた木は枝が折れやすく倒木の可能性も高くなると心配している。 ナラ枯れの対策を考えるため、県は毎年被害状況を調査しており、11月ごろに結果が出る予定。 ■カシノナガキクイムシ 成虫は体長5ミリ程度。体に付着している共生菌「ナラ菌」が樹木を弱らせ、やがて枯死させる。被害木の根元には大量のフラス(木くず)がたまる。県内の被害は1999年に旧熊野川町で初めて確認されて北上した。
紀伊民報