人気声優・小野賢章が語る「声優業」のシビアな日常「“終わったな”と思ってしまうこともある」
「毎クールごとに就活しているようなものですよね」
――声優さんは個性豊かな方が多いでしょうから、そういう悩みは尽きなさそうです。 小野 年を重ねると、どんどん若い子が出てきます。その子たちのキラキラした無敵で最強なオーラの中で、どうにかして自分を魅力的に見せないといけない。だから、悩みは年々変わっていきますね。 アニメの声優という仕事は常にオーディションで役を得るものなんですよ。オーディションで選ばれないと仕事がなくなる。毎クールごとに就活しているようなものですよね。だから自分が声優としてどの作品にも出演していないクールがあると、“終わったな”と思ってしまうこともあって(笑)。 ――いやいや、そんな! 小野 常にそういうプレッシャーや緊張感から抜けられない。声優という仕事は、常に自分と向き合わないといけない仕事だと感じていますね。 ――小野さんは、ご自身の声優としての強みとはどんなところだとお考えですか? 小野 僕は声優になったルートがほかの方々と違うんです。ずっと舞台を主体にやってきたので、声優を目指して養成所に入ったという経緯ではなかった。だから、そういう他の人と違う人生経験は、思考方法としても強みになっている部分があると思いますね。
志田英邦