新型フォルクスワーゲンID.Buzz GTXは新世代のミニバンだ! パワフルな現代の“ワーゲンバス”に迫る
スポーティな印象が強い
ID.Buzz GTXの走りは、期待以上に力強い。シングルモーターで後輪を駆動する標準モデルもけっしてトロいクルマではないが、GTXは足まわりが硬められていて、ステアリングはクイックで、スポーティな印象が強い。 メーカーにより最高速は160km/hに設定されているが、そこまではあっというまという感じで加速する。走行安定性も高いため、ハノーファーや、フォルクスワーゲンが本社を置くウォルフスブルグあたりのアウトバーンでは交通の流れをリードするのも簡単だった。 日本市場には、標準モデルとGTX、共に導入が検討されているようだ。普段使いなら標準モデルという選択はおおいにアリだと思うが、運転手扱いでなくて、ドライブを積極的に楽しみたいひとにはGTXを勧めたい。 一充電あたりの走行距離は発表されていないが、エアコンをしっかり効かせて、複数乗車の状態でとばしていると、車内の計器から判断するに、300kmぐらいにとどまってしまうかもしれない。それで十分、という人もいるだろうけれど。 試乗したのはドイツ本国仕様だったので、アダプティブクルーズコントロールとレーンキープアシストを統合制御する「トラベルアシスト」にくわえ、「交通標識認識機能」が備わっていた。標識を読み取り、制限速度が変更となるタイミングで車速を調整。 新世代のフォルクスワーゲン「ゴルフ」と同様、これが楽チンだった。ドライブしている私はハンドルに軽く手をあてているだけ。先行車との距離の調整をはじめ、正確に速度を調整してくれるし、ライントレース性も正確。疲れているときもありがたい。 日本試乗への導入は、2025年上半期という。販売価格やグレードなどは未定だ。
文・小川フミオ 写真・Wolfgang Grube/Volkswagen Group Japan 編集・稲垣邦康(GQ)