「夢のような時間」ソフトバンク川瀬晃 ピッチャー争い兄弟げんか→プロの世界で真剣勝負
◆オリックス3―8ソフトバンク(13日、京セラドーム大阪) ソフトバンクの川瀬晃内野手(26)と、オリックスの川瀬堅斗投手(22)との兄弟対決が実現した。 ■川瀬VS川瀬!勝ったのは…「川瀬」【動画はこちら】 初めて1軍の舞台での対戦だったが、結果は二ゴロに倒れ、弟に敗れた。それでも「夢のような時間というのはこういうことなのかなと思いながら打席に入りました」とかみしめた。 8回、オリックス投手陣にアクシデントが続き、1死一、三塁の場面でこの回5人目の投手として川瀬堅斗がマウンドに上がった。中村晃の犠飛で2死二塁となり甲斐拓也の打席が回ってきた時、ネクストバッターズサークルにいた牧原大成に小久保監督が直接声をかけた。 甲斐が四球を選ぶと、小久保監督は「代打川瀬晃」をコール。川瀬晃は打席を譲った牧原大からは笑顔で「頑張れ」と、尻をたたかれた。「兄弟対決を実現させてくれた監督に感謝したいと思いますし、あとは打席を代わってくれた牧原さん。今日は(3安打を)打っているにも関わらず代わってくれた。いろんな人の手助けがあってこその兄弟対決だと思うので、まずは本当に皆さんに感謝したい」。バッターボックスに向かう最中、場内では大きな拍手が湧き起こった。 カウント2―2からの5球目。内角低めの直球を打つも二塁正面のゴロに抑えられた。「最後は真っすぐで抑えてきたので、気持ちも伝わってきましたし、弟の成長というのを18メートルの間で感じられた。でも内容は完敗ですね」。兄は笑顔で振り返った。 5学年下の弟堅斗とは子どもの頃、どちらがピッチャーをやるかでけんかをしたり、夜遅くまで家の近くの公園でキャッチボールをしたりと、野球漬けの毎日を過ごしてきた。晃はそういった日々を思い出しながら、「2人とも野球をしていることも奇跡ですけど、プロ野球の中で対戦できるというのは本当にすごくうれしい」。言葉から兄としての優しさがにじむ。「また機会があれば打ちたい。自分ももっともっと成長して頑張っていきたい」。次回の対戦では安打を放ち、今度は兄としての威厳を見せつけるつもりだ。(大橋昂平) 【#OTTOホークス情報】
西日本新聞社