TEXT=松尾千尋

1969年の誕生以来、タグ・ホイヤーの「モナコ」は多くの人を魅了し続けている。「タグ・ホイヤー モナコ スプリットセコンド クロノグラフ」は、その55周年を飾る特別なモデルだ。 【アイテム写真】タグ・ホイヤー「モナコ」の55周年超絶モデル

アヴァンギャルドな美学が体現された唯一無二の存在感

角形クロノグラフの金字塔、タグ・ホイヤーの「モナコ」。2024年は「モナコ」が更なる進化を遂げ、より先鋭的なデザインとハイレベルな機構に一新された。 特筆すべき点は、TH81-00機械式スプリットセコンドクロノグラフキャリバーを搭載していること。 この機構は、ムーブメント製造において世界的に名高いヴォーシェ・マニュファクチュール・フルリエとのコラボレーションによって生まれたもの。複数のタイム計測を同時に行うことができるのみならず、自動巻きクロノグラフムーブメントのなかでも最軽量で、グレード5チタンのケースを採用していることもあり、タフな見た目とは裏腹に85グラムという驚きの軽さを実現している。 ダイヤルは透明度の高いサファイアクリスタル製。センターブリッジにはタグ・ホイヤーのシンボルであるチェッカーボード模様が施されており、サテン仕上げのテンワブリッジの面取り部分はポリッシュ仕上げ。その表面はサンドブラスト加工、スクリューはポリッシュ仕上げで、これらすべてが手作業でなされており、仕上げまで最高レベルにこだわるメゾンの情熱が体現されている。 ローターはタグ・ホイヤーのロゴであるシールドが象られ、カラーに合わせてレッドまたはブルーの美しいグラデーションで縁取り。これはタグ・ホイヤーのなかでも厳選されたタイムピースにのみに施される特別なデザインで、ローターにはすべてシリアルナンバーが刻まれている。 カラーは、メゾンがもつレーシングスポーツのDNAに着想を得たレッドと、初代「モナコ」へのオマージュであるブルーの2色展開。ダイヤルのアーチの仕上げはカラーによって異なり、レッドはケースと揃えたサテン仕上げとDLCコーティングでクールな印象、ブルーはアルマイト処理による繊細なブルーグラデーションでクラシカルな印象だ。 カジュアルな装いのポイントにも、ドレススタイルのハズしアイテムとしても目を惹くデザインの1本。ぜひ手に入れて、タグ・ホイヤーの世界観を存分に体感してほしい。