災害への備えはどうすべき? ファイナンシャルプランナーが解説。
非常事態が起きたときに、いくらかかる? 公的支援はある? ピンチをなんとか乗り切るために、知っておきたいことをファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに聞きました。
(CASE 1)地震の被害で、家が半壊。火災保険には入っているけれど…。
【 1千万円以上かかる可能性も】 火災保険にだけ加入し地震保険には加入していない場合、地震を原因とする様々な被害が対象外となる。修理で済まず建て直しだと数千万円以上かかることも(編集部調べ)。 「地震保険は、火災保険の補償額の半額までしか保険金がおりないうえ、保険料が高いので入らない方も多いのですが、やはり入ったほうが安心」。 保険には時価型と再調達価額型がある。時価型は建てたとき1千万円の価値があっても、今は経年劣化分を差し引くと800万円という場合は、800万円を最大として保険金が計算される。最近主流の再調達価額型は今から同じものを建てるならいくらかかるかを元に保険金が計算される。古い保険の場合、どちらになっているか確認を。
(CASE 2)台風で物干し竿が飛び、隣家の窓を割ってしまいました。
【10万円以上かかる可能性も】 自然災害は不可抗力のため、基本的に責任は問われない。修理費用は隣家が火災保険の風災補償などでカバーすることになる。ただし関係性を重視し、弁償を考える場合は、ガラス交換費用の相場は1枚当たり2万~5万円程度(編集部調べ)。 何らかの過失があったと考えられる場合は、個人賠償責任保険が適用できる可能性もある。 「令和元年の房総半島台風で、千葉県のゴルフ練習場の鉄柱が倒壊し、近隣住宅が被害を受けた事故がありました。加害者側が企業だったこともあり被害者側は補償が得られたようですが、一般的に自然災害は自己責任になります。加害者にも被害者にもなる可能性があるので、やはり任意保険への加入が望ましいでしょう」
(CASE 3)雨が降ると雨漏りが。1年前の台風が原因? なんらかの保険適用は?
【50万円程度かかる可能性も】 火災保険は火災のほか、風災や落雷、水災といった自然災害に遭ったときにも補償されるが……。 「火災保険で補償される可能性があるのは、自然災害による被害のみです。保険会社が個別に判断することになりますが、自然災害による雨漏りか、経年劣化による屋根や壁の老朽化が原因かは、判断しづらいところです。なお、保険金を請求できる期限は雨漏り発生後3年間となっています」。 屋根や天井の雨漏り修理の相場は3万~50万円(編集部調べ)。修理する際はできれば大手と中堅、地元の3~5社に依頼し、相見積もりを。