<プロ野球速報>楽天・岸が6回1失点で移籍初先発初勝利!
楽天にFA移籍した岸孝之(32)が9日、ZOZOマリンで行われたロッテ戦に今季初先発、6回を投げて4安打1失点で、好調打線の援護もあり、4-1で移籍初勝利を手にした。ストレート、チェンジアップの絶妙のコンビネーションで、6回に鈴木大地に浴びたソロアーチの失点だけにまとめて十二分に存在感を示した。 晴れの開幕投手をインフルエンザで回避した。その間、チームは打線が爆発して6勝1敗で首位を独走。責任感の重い岸にしてみれば、参戦は遅れたが少しは心理的負担は解消されていたのかもしれない。 試合前から降り続けていた雨。コンディションは最悪だったが、新エースの旅立ちを前に援護点が入る。 ロッテの先発、唐川から茂木が逆方向へ先頭打者アーチ。「打ったのはストレートです。まずは自分が先頭で出塁することだけを考えていました。ホームランになって自分もビックリです」。さらに一死からウィーラーが中前打、アマダー、銀次が連続四球を選び満塁となって島内が中前タイムリーで1点を追加した。 2点をもらった岸は、スタートで一死から角中を歩かせ、二死からパラデスに中前打を許し、一、二塁のピンチを背負った。だが、好調の鈴木を小さく動くスライダーで一ゴロに打ち取って無失点で立ち上がると、徐々に浮き気味だったボールも落ち着いてペースアップ。常にストライク先行のピッチャーズカウントから優位に組み立て、最速146キロのストレートを軸に、同じ腕の振りからシンカーのような変化で落ちるチェンジアップが効果的。3回は1番から始まる打順で三者凡退。途中、ユニホームのズボンに指のどこかからか血がつくアクシデントも見られたが、4回表に茂木のタイムリーで追加点をもらうと、その裏もマウンドに上がりパラデスに144キロのストレートを外角低めに決めて見逃し三振にとると、この回も3人で終わらせた。 「全ての球種において勝負できているね。精度が高く、ボールも高めに浮くことなく、低めに集められている。相手も球種を絞る対策もしてくるだろうけど、このままのペースで投げていってほしいね。初登板の緊張感もあるけど、いいスタートを切れている」とは、与田投手コーチの試合中談話。 5回に先頭、井上にカーブを捉えられ、一死一、二塁とされるが、代打・井口をセンターフライ、角中を二ゴロに抑えて、この回も、ゼロ行進。6回二死から鈴木にソロアーチを許すが、3-1とリードを守ったまま、103球、4安打4三振1失点で勝利権利を得てマウンドを降りた。 楽天は7回を新人の森原が抑え、8回にはロッテの2番手、大嶺を攻め二死一塁からウィーラー、アマダーの連打で貴重な駄目押し点。その裏の8回は新外国人のハーマン、9回は松井裕と無失点リレーでつなぎ、岸の移籍初勝利をアシスト。チームも3連勝で首位をキープした。