米議会選、共和党が上院の過半数奪還 下院でも伸長
Andy Sullivan [ワシントン 5日 ロイター] - 米大統領選と同時に実施されている連邦議会選は5日、上院(定数100、改選34)を巡って共和党がウェストバージニア州、オハイオ州、モンタナ州で勝利し、過半数議席を獲得した。 ウェストバージニア州では共和のジム・ジャスティス候補が投票締め切り直後に当確。この議席は民主党から無所属に転じたジョー・マンチン氏がこれまで占めていた。 モンタナ州では共和のティム・シーヒー氏が民主現職のジョン・テスター上院議員を破った。オハイオ州では、共和のバーニー・モレノ候補が民主現職のシェロッド・ブラウン候補を破る見通しとなった。これらの議席獲得により、共和は少なくとも52対48で民主から多数派を奪還する。 共和は全議席が改選となる下院(定数435)でも開票序盤で民主から複数の議席を奪取。既に多数派の勢力を拡大する可能性がある。これまでは220対212で多数派を占めてきた。 共和党が勝利すれば政策の決定権を握り、トランプ氏の減税と移民制限の公約実現を後押しすることになる。 最終結果の判明は数日後になるとみられるが、上院の共和党はトランプ氏による保守派判事やその他の政府職員の任命の支援が可能となる。 共和党はペンシルベニア州とネバダ州で民主党現職候補をリードしているため、上院での多数派をさらに拡大するチャンスがある。 ただ、大半の法案を可決するのに必要な60議席を確保する可能性は低いとみられる。 上院ではデラウェア州とメリーランド州で民主党の黒人女性候補が勝利しており、初の黒人女性上院議員が誕生する。 <下院も共和党優勢> 最終結果の判明は数日後になる見込みだが、共和党はこれまでも多数派だった下院の議席をさらに伸ばすとみられている。 バイデン大統領の生まれ故郷であるペンシルベニア州スクラントンを含む選挙区のほか、ノースカロライナの共和党に有利な新区割りで民主から議席を奪った。 一方で民主党はニューヨークで共和党から1議席を奪い、連邦最高裁の命令でアラバマ州に設けられた黒人人口の多い選挙区でも勝利した。 民主党が下院で多数派を握るには共和党から少なくとも7議席以上奪う必要がある。 デラウェア州では民主党のサラ・マクブライド候補が勝利、トランスジェンダーであることを公表している初の連邦議会議員となる。 下院は両党少なくとも200議席が安全圏にあるため、どちらが勝利しても僅差の多数派となる公算が大きい。 民主党が圧倒的に優勢なニューヨーク州とカリフォルニア州の結果で下院の支配権が決まる可能性があるが、カリフォルニア州では通常、投票の集計に数日かかっている。