新Surface Proの購入をためらう3つの理由 - 阿久津良和のWindows Weekly Report
もう一つがWindows on ARMである。Snapdragon X Plus/Elite搭載環境でx86/x64アプリを起動する際は、Prism Emulationエンジンを起動するそうだ。パフォーマンスも以前のx86/x64 to ARMエミュレーションエンジンを上回り、違和感なくx68/x64アプリを使用できるという。 筆者も勉強不足でPrism Emulationの構造を把握していないが、バイナリーの実行にエミュレーターを必要とするのであれば、Intel/AMD製プロセッサーを搭載したPCを使う方が賢いと考えてしまう。どうにもx68/x64 to ARMエミュレーションにロマンを感じないのだ。この点も筆者に二の足を踏ませるポイントである。
それでもCopilot+PCで得られる体験は享受したい。新Surface Proは過去のSurface Pro Xと並ぶ野心的なモデルだが、Surface Proシリーズ好きの方が「新モデルだからリプレースする」と気軽に購入すると、多々の問題が発生しかねないだろう。 2025年にSnapdragon搭載モデルを発表するのであれば、Microsoftの本気度を判断できるが、現時点でそれを問うことはできない。ひとまず一番安価な新Surface Proを対象に、もうしばらく考えようと思う。 ■ 著者 : 阿久津良和 あくつよしかず 1972年生まれのITライター。PC総合誌やDOS/V専門誌、Windows専門誌など、各PC雑誌の編集部員を経たのちに独立。WindowsとLinuxをこよなく愛しつつ、PC関連の著書を多数手がける。近年はBtoCにとどまらず、BtoBソリューションの取材やインタビューが主戦場。休肝日を設けず日々飲み続けてきたが、γ-GTP値が急激に増加し、早急な対応を求められている。
阿久津良和