全中9競技取りやめ「ユーチューブ見て知った、やばいな」急に失った目標…初耳の子どもたちも 「答えづらい」教員も困惑
8月から始まる全国中学体育大会「全中」。部活動でスポーツに励む中学生が最後の集大成を発揮する大会です。主催する日本中学校体育連盟は20競技中、水泳やハンドボールなど9競技を2027年度以降、開催しないと6月に発表しました。対象は部活動設置率が20%未満の競技。さらに大会を運営する教員の負担軽減や少子化への対応を理由に上げています。ただ、選手にとっては目指す舞台がなくなる辛い決定に落胆の声があがっています。 【写真を見る】全中9競技取りやめ「ユーチューブ見て知った、やばいな」急に失った目標…初耳の子どもたちも 「答えづらい」教員も困惑 ■教職員の働き方、立場を考えると答えづらい 日本中学校体育連盟は、全中について2027年度から縮小すると発表。取りやめるのは、水泳、ハンドボール、体操、新体操、ソフトボール男子、相撲、スキー(開催地との契約終了の29年度まで継続)、スケート、アイスホッケーの計9競技です。 大分市立大東中学校水泳部。7月23日からの県中学総体に向けて練習に励んでいます。その先にある全中が3年後になくなることについて、選手たちは戸惑いの表情を見せていました。 (3年生)「まだ聞いたことがなくて初めてで驚きました。全国を目指している人が多い中、大きな目標がなくなるというのはモチベーションが下がることもあると思います」「私も初めて知りました。熱心にやってきているのに全中がなくなると、目標もなくなってしまうと感じました。似たような全国の大会があったらいいなと思います」 水泳部の設置率は、全国で20%弱ですが、大分県内では約40%。夏の全国大会は、JOCジュニアオリンピックカップもありますが、年齢別で戦うため、中学生の頂点は全中でしか決まりません。 大東中 沢田隆明先生: 「大会は学校の先生が企画・運営していて、働き方改革も言われ、致し方ないところもあります。しかし、練習して活躍するのは子どもたちです。全国大会を残してほしいという気持ちはありますが、教職員の働き方、立場を考えると答えづらい部分もあります」 「中体連や学校の先生だけで運営しているというのがどの種目も大きいと思いますが、そこに関わる大人たちがみんなで協力して、何か子どもたちのためになる大会、それから全国大会の維持ができればいいのではないのかなと思う」