スニーカー専用の桐箱が誕生 大切な一足は宝箱に!/福岡市
箱の側面には、紙製の靴箱に印字されている型番などをイメージしたデザインや、桐の家紋が描かれています。家紋にもまた、靴のシルエットが隠れています。
箱は2段構造になっており、上段に靴をしまいます。下段は引き出しで、付属品のインソールや靴ひも、タグなどを保管するスペースになっています。
世界に桐箱を広めたい!
開発は2年ほど前に遡ります。増田桐箱店の藤井博文社長が桐箱の新しい用途を思案していた際、スニーカーのブームに着目したのがきっかけでした。 マニアの意見を聞いてみたいと、知人を介して松尾さんと知り合います。アドバイスをもらううち、松尾さんと共同でスニーカー専用の桐箱ブランドをつくることに。藤井さんは「付属品も一緒に保管するスペースが必要なことなど、私たちだけでは思いつきませんでした」と振り返ります。
サンプルが完成すると、2人は2024年4月に福岡市内で行われたスニーカーイベントでアマテラスを発表しました。世界中から訪れたコレクターが足を止め、桐箱を買い求めていったそうです。 桐箱は従来、器や着物など後世に残す大切なものを保管するために使われてきました。桐箱の新たな領域を開拓しようと挑戦を続けている藤井さんですが、「中身を輝かせるぐらい『格好いい箱』という発想はありませんでした」と語ります。「桐箱を触ったことがないような人も興味を持ってくれ、可能性が広がりました」 スニーカーを家宝のように思い、大切に扱っている松尾さん。藤井さんと出会い、ともに理想を追い、「靴と一緒に毎日眺めたくなるような箱ができました」と満足そうに話します。
読売新聞