2024夏ドラマ“見逃したくない作品”5選。「期待度の高い社会派ドラマ」が揃いぶみ
『素晴らしき哉、先生!』
(テレビ朝日系・日曜午後10時)8月18日スタート 俳優として成長著しい生田絵梨花(27)の初主演連続ドラマ。演劇界で名高く、俳優でもある宅間孝行氏(53)が脚本と演出を兼務する。制作は大阪のABCが行う。 生田の役柄はZ世代の高校教師・笹岡りお。採用2年目だが、早くも退職を考え始めていた。夢と希望を胸に教師になったものの、教育現場は理不尽なことに満ちていたからだ。生徒は自由を拡大解釈し、奔放に振る舞う。保護者は学校に過度な期待を寄せる。古参の教師たちは面倒なトラブル処理を若手に押し付けた。 軽くて明るいだけの学園ドラマにはならない。最近では珍しい現実味に溢れた教育ドラマになりそう。りおのキャラクターも現実的だ。日々の愚痴をSNSの裏アカウントに吐き出したり、彼氏の大友聖也(小関裕太)に聞いてもらったり。かつての聖職者のイメージはない。 それでも、りおは我慢し切れなくなり、ついに辞めることを決意するが、そのタイミングで3年C組の担任を命じられる。担任を持つのは初めて。りおは断れなかった。さて、どうなるのか。 教育ドラマは生徒のキャラクターを浮き彫りにしやすくするため、1クラスを20~30人にとどめることが多いが、今回の3年C組にはしっかり37人いる。沢井谷玲奈役の茅島みずき(19)、南田健吾役の鈴木仁(24)たちである。ここにも現実味を感じる。 すべて見終えたあとには「素晴らしきかな教師という職業」という思いになるのか。 <文/高堀冬彦> 【高堀冬彦】 放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員
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