宗教国家の米国、今や無宗教が最大「宗派」に 保守政治との一体化を敬遠、トランプ氏は特製聖書を販売【ワシントン報告⑯キリスト教】
バプテストなどの各宗派はさらに細かいグループに分かれ、それぞれが聖書に対する姿勢などから主流派や福音派に分類される。福音派は聖書に重きを置く保守的な立場で知られ、日本でもよく耳にする。宗派のくくりと、福音派のくくりは必ずしも一致しない。 大統領選の共和党候補は信者の多い福音派の支持取り付けに躍起になる。トランプ前大統領も例外ではない。トランプ氏自身は何度も離婚を経験し、中絶についても強硬ではない。福音派の考えとずれもあるが、大統領の任期中、連邦最高裁に保守派の裁判官を3人送り込み、福音派の高い支持を得た。 トランプ氏は3月、自らが公認する特製の聖書を59.99ドル(約9200円)で売り出した。信心深さのアピールに加え、訴訟費用などに充てる実益も兼ねる。発売時のビデオメッセージでは「宗教とキリスト教はこの国から失われた最も重大なものであり、早く取り戻すことが必要だ」と呼びかけた。