10月のコメ業者間取引価格、前月より5%上昇 新米流通でも
農林水産省は19日、10月の新米60キログラムの業者間の平均取引価格が、前年同月よりも8639円(57%)高い2万3820円だったと発表した。統計を取り始めた2006年9月以降で最高だった前月をさらに1120円(5%)上回った。集荷業者と卸売業者での取引価格の高騰が続くことで、店頭価格も当面、高止まりしそうだ。 新米が本格的に出回り始めた9月以降、コメが買えない事態は解消されたが、高値が続く。農水省によると、10月のスーパーでの米5キログラムの価格は、前年同月より1427円高い3395円だった。 一方、農水省は同日、10月25日現在の今年産の作況指数が101だったと発表した。前回調査(9月25日現在)では102だったが、九州や東海地方を中心に猛暑で想定ほど実がとれず、やや低下した。これにより、今年産の主食用米の生産量は従来予想より4万トン少ない679万トンになる見通しだという。在庫が従来の想定ほど回復しない可能性がある。 農水省はさらに需給を精査し、年明けに来年産の目標生産量を決める。(大日向寛文)
朝日新聞社