河合優実 × 吉田美月喜「自分の演技が、普段いかに“声以外”の要素に頼っているのかを思い知らされた」劇場アニメ『ルックバック』声優初挑戦インタビュー
ー本作には原作の藤本氏のたくさんのメッセージが込められているといわれており、そこに共感し支持するファンが大勢います。『ルックバック』を愛する人たちにどんな思いで観ていただきたいですか?
美月喜さん 「原作を読ませていただいた時から、藤本先生の思いをのせた“船”に、私も一緒にのせていただくような気持ちで演じました。もし、漫画だけでは理解しきれなかったり、ちょっと難しく感じるような部分があったとしても、映画を観て、改めて気づける部分があるんじゃないかと。藤野や京本が目の前で動き、声がのると、『ルックバック』という作品の解像度が一気にバッと上がるんじゃないかと思うんです。そうしたらきっと、原作をもう一度読み返してみたくなる。『あのシーンはそういうことだったのか!』と気づいてもらえるといいな……と思いながら、公開されるまでずっと緊張続きですけれど、今となってはむしろ楽しみになってきました」 優実さん 「藤本先生は映画がお好きだと伺っています。大切な作品を映画化するにあたり、信頼できる制作陣に委ねてくださったことがとてもよくわかる現場でした。 漫画を映像化する場合、演者としては、原作を本当に大切にされているファンのみなさんに思いを馳せます。『期待に応えるもの、叶うものを見せたい』とプレッシャーを感じます。しかしこの『ルックバック』は、特報から本予告へと作品の全体像が徐々にあらわになっていく過程を見ているうちに、そうした戸惑いを吹き飛ばすような素晴らしいものになっていると思っていただけると確信しています。どうか安心して、劇場でどっぷりと作品の世界観に浸りながら観ていただきたいです」
劇場アニメ『ルックバック』はどんな作品?
劇場アニメ『ルックバック』キービジュアル 原作漫画「ルックバック」は、藤本氏が、コミック配信サイト「ジャンプ+」にて、2021年7月に読み切り作品として発表。公開初日に閲覧数250万以上を記録し、「このマンガがすごい!2022」オトコ編第1位にも輝いた伝説の話題作です。 ストーリーは、とある小学校の教室から始まります。学年新聞で4コマ漫画を連載する小学4年生の藤野(上画像/左/CV:優実さん)。クラスでも大評判で、自らの才能に絶対的な自信を持っていますが、ある日、同じ誌面に掲載された不登校の同級生・京本(上画像/右/CV:美月喜さん)の作品を見て、あまりのうまさに衝撃を受け、遊びも勉強もそっちのけで一心不乱に漫画を描くようになります。 どんなに描いても京本との圧倒的な画力の差は縮められず、やがてあきらめてしまう藤野ですが、小学校の卒業式後、教師の依頼で京本の自宅に卒業証書を届けに行って、引きこもりだった彼女と初対面。「ずっと藤本先生のファンでした!」と告白されて以来、共同で漫画を描くようになり、商業誌に投稿するなどし、若くして才能を開花させていきますが……!?