「乗り心地はブラボー!」長年愛した「マツダRX-7」譲渡へ「80歳の誕生日に」との決意を胸に迎えた最後の日
「地面に吸いつく感じでさーっといくなんとも言えない爽快感がたまらない」。愛車の「マツダ RX-7」を楽しそうに運転する女性。2024年12月に80歳になるのを機に愛車を手放し、運転免許を自主返納することを決めていた。女性と“相棒”の最後の別れの瞬間に立ち会った。 【画像】25年間共に寄り添ってきた愛車「RX-7」に最後に乗り込む西本尚子さん
25年間の愛車との絆
長崎市に住む西本尚子さんは、大の車好き。 55歳の時に出会った「マツダ RX-7」に一目ぼれし、以来25年間大切に乗り続けてきた。「ほんと気持ちいい、ブラボーって感じ」と乗り心地を話す西本さん。愛車に乗って買い物に行ったり、ドライブに出かけたりするのが大好きだった。 西本さんは2024年12月18日に80歳の誕生日を迎えた。2年前の78歳の時に「後悔先に立たずという事態を起こしたくない」と運転免許の返納を決意。それに伴い、愛車の「RX-7」も手放すことを決めていた。 西本さんの愛車との日々や西本さんの決意は長崎県内のニュース番組の企画や新聞記事などに多く取り上げられた。放送や記事を見た人などの間で大きな反響を呼び、西本さんには「車を譲ってほしい」という連絡が400件以上も寄せられた。
マツダへの譲渡決断のワケ
多くの譲渡希望の中から、西本さんはRX-7の製造元である自動車メーカーのマツダに譲ることを選んだ。その決め手となったのは、マツダ広報からのメールだった。「『輝かしい人生を引き継いで世の中の人に元気を与えたい』という言葉に、ここだ!ここしかないと思ったんです」と西本さんは語る。 そして西本さんの誕生日当日に長崎市で車の譲渡式が行われた。マツダ株式会社の土井耕輔国内営業本部長は、「愛車とともに過ごして来られた豊かなストーリーをこれからマツダの広報車として新たな生き生きとした物語をしっかりと紡いで参りたい」と述べた。 西本さんのRX-7は徹底したメンテナンスを受けてきたこともあり、傷や色落ちもほとんどなく、状態は良好だという。 今後は広島でメンテナンスを受けた後、横浜のマツダの研究所(マツダR&Dセンター横浜)に移され、広報車としてイベントなどで活躍する予定だ。
免許の自主返納と新たな生活
譲渡式の後、西本さんは浦上警察署で運転免許を自主返納した。「スーッとした」と感想を漏らし、今後の生活について「タクシーを使うことが多くなるかな」と語った。 最後に西本さんは「RX-7には本当に25年間ありがとうという言葉を贈りたい」と、愛車への感謝の気持ちを表した。この日の譲渡式には、東京などから自動車専門誌など15社ものメディアが集まり、注目の高さがうかがえた。西本さんは今後、自身の日常を発信するYouTubeチャンネルを開設する予定だという。 西本さんと長年寄り添ってきた"相棒”とはこの日でお別れだが、西本さんとRX-7それぞれの物語はまたこれから始まる。 (テレビ長崎)
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