統合型リゾート（IR）が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の町並み（写真：MGTO）

　近年、マカオでは新興埋立地のコタイ地区及びマカオ半島の新口岸地区を中心に大型カジノIR（統合型リゾート）、ホテルを含む複合ビル等の建設ラッシュが続いている。 　マカオ政府土地工務局は10月30日、今年第3四半期（2024年7～9月）時点で建設中のホテルが4軒、設計段階（5年以上更新のないプロジェクト含まず）のものが8軒あり、供給客室数は前者が2928室分、後者が857室分に上るとする最新データを公表。 　今年第2四半期と前年同時期との客室数を比較すると、建設中のホテルで1.61%減と21.54%減、設計段階で0.71%増と34.48%減に。（エリア別内訳は文末のデータ参照） 　マカオ政府統計・センサス局の最新資料によれば、今年9月末時点で営業中のホテル数は前年同時期から7軒増の144軒、客室供給数は3.3%減の4.42万室となっている。 　今年9月末時点で営業中の上記数値に建設中及び設計段階の数値を加えると、将来的にホテル数が156軒、客室供給数が約4.80万室となる見込みで、前者が約8%増、後者が約9%増。 　マカオのホテル開発をけん引するのがカジノIR運営会社だ。昨年1月に新たなカジノ運営コンセッション（10年間）がスタートしており、事業者の顔ぶれは従来と変わらない。すでに着手していた新ホテルのオープンの加え、新コンセッション下で既存ホテルの大規模改修や新設など新たな計画も発表されている。 　マカオは人口約68万人、面積約32平方キロという小さな街だが、世界遺産やカジノを核とした大型IRに加え、マカオグランプリなどの国際イベントが数多く開催されるアジア有数の観光都市として知られ、2019年の年間インバウンド旅客数は過去最多の約3940万人、平均客室稼働率は90.8%に上った。2020年から2022年にかけてコロナ禍でインバウンド旅客数、平均客室稼働率とも低迷を余儀なくされたが、アフターコロナ初年となった昨年通期のインバウンド旅客数は前年から394.9%増の2821万30003人、平均ホテル客室稼働率は43.1pt上昇の81.5%と急回復。今年1～9月累計の平均ホテル客室稼働率は前年同時期から4.8pt上昇の85.4%、さらにホテル宿泊客数は11.2%増の1088.9万人となり、回復の勢いを維持している。 【資料】 2024年第3四半期時点で建設または設計段階のホテルデータ（エリア別） ＜マカオ半島＞ ・建設中：3軒 204室 ・設計段階：7軒 556室 ＜タイパ島＞ ・建設中：なし ・設計段階：1軒 301室 ＜コタイ地区＞ ・建設中：1軒 2724室 ・設計段階：なし ＜コロアン島＞ ・建設中：なし ・設計段階：なし