「オルカン」一強の時代は終わる…その代わりに、じつはこれから大注目の「意外な投資対象」
アクティブファンドが力を発揮するものの、見極めが重要に
川崎:そのようなインデックスブームがずっと続いているということですね? 中野さん:全部の株が同じように下がるならば、低コストのインデックファンドが合理的という考え方です。でも、ここ数年で世界的なインフレになり、過剰流動性も解消に向かい始めています。ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー価格が高騰したことでインフレになり、その状態がしばらく続いています。そしてインフレが定着した世界経済は、この先も続くと思います。そうなるとインフレに太刀打ちできる企業、つまり生産コストの上昇に合わせて商品やサービスの値上げができる企業は業績を上げられます。例えば生活をする上で絶対に必要なものを作っていたり、多くの人がその価値を認めているような商品やサービスを提供していたりする会社です。一方で値上げができない企業は、業績の悪化、倒産になってしまうでしょう。これからは優劣がはっきりと分かれる時代になります。だからこそ、勝てる企業を選んで投資をしているアクティブファンドが力を発揮してくると思います。 川崎:中野さんの会社でもアクティブファンドの運用をされていますね。 中野さん:これからはアクティブファンドの時代になると思うので、「なかの日本成長ファンド」「なかの世界成長ファンド」の2本に絞っています。どちらもアクティブファンドです。 川崎:アクティブファンドならなんでもいいということでもないですよね? 中野さん:もちろんです。それにインデックスファンドも、長期的に見ればマクロ経済の成長に準じた成果は出るでしょうね。ただ数年後にアクティブファンドを見たら、なんだかすごいことになっていた! なんてことも起こり得るということです。アクティブファンドが本当の力を見せてくれるのは、インフレが定着して企業がインフレ時代のビジネスモデルを作り、その成果を出してからでしょう。今ではなく少し先の話だと思いますよ。だからこそ、今のうちからアクティブファンドに注目をして投資をしていくのは、長期投資をする上で先を見据えた大事な視点になると考えています。 インデックスファンドが効率よくパフォーマンスを上げやすい時代が終わり、アクティブファンドが力を発揮する時代が間もなくやってくると中野さんは言います。インフレ社会という、これまでの社会構造とは違った世の中になる中では、投資をする側も想像力を働かせる必要がありそうです。次の記事では日経平均が高くなって乗り遅れてしまったという考えについて、中野さんにお聞きしていきます。
川崎 さちえ(フリマアプリ・ネットオークションガイド)