ECBシュナーベル氏、6月利下げは適切だが以後は慎重-報道
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル理事は、6月と7月の連続利下げには慎重を期すべきだとの考えを示した。
同理事は17日に公表された日本経済新聞とのインタビューで「現在のデータに基づくと、7月の利下げが妥当とは思われない」と語った。「緩和を前倒しすることは、時期尚早であるリスクを伴うだろう」と警鐘を鳴らした。
インフレ率が2%の目標に向かって低下している中で当局者らは6月の初回利下げについては同意しているが、その後の議論については慎重だ。当局は賃金の伸びと地政学的な脅威について依然として懸念しており、シュナーベル氏の発言は7月の利下げ休止をこれまでで最も明確に示唆するものになる。
スワップ市場はECBの利下げ予想をわずかに後退させたが、トレーダーは依然、6月に加えて9月と12月の利下げで現在4%の中銀預金金利が3.25%になることを想定している。
シュナーベル氏は日経の取材に対し、6月の初回利下げは「適切かもしれない」と述べたが、その後については「慎重なアプローチをとるべきだ」とし「十分な時間をかけて何が起きているかを見極めるべきだ」と語った。
「非常に高い不確実性」と「インフレリスクがなお上振れ方向に傾いている」ことを考慮すると、「何が起きるかを言うのは時期尚早だ。事前に特定の経路を確約することはできない」と述べた。
デギンドスECB副総裁も同様の考えを示し「6月についてわれわれは明瞭かつ透明にしてきた。その次には、会合ごとに入ってくるデータ次第であるということも透明にしている」と16日マドリードで語った。
スロベニア中銀のバスレ総裁は「ECB政策の景気抑制の度合いを引き下げ始められる時期が近く来る」と述べた。
ホルツマン・オーストリア中銀総裁は同国誌とのインタビューで、ECBはインフレとの闘いを尚早に休止してはならないと主張。
そのようなことがあれば「インフレが再び加速する恐れがある。そうした状況になってから再びインフレを抑え込むのは極めて困難になる」と語った。