フェラーリF1からテクニカルディレクターが離脱か。アストンマーティン移籍の可能性が浮上
フェラーリでテクニカルディレクターを務めるエンリコ・カルディレがチームを離脱し、アストンマーティンへ移籍する可能性があるようだ。 【ギャラリー】フェラーリ、フィオラノ・インシーズンテスト アストンマーティンのオーナーであるローレンス・ストロールは、チャンピオンシップ獲得を狙ってチーム体制の強化に勤しんでおり、カルディレ獲得の動きもそのひとつと考えられている。 現在フェラーリのシャシー・空力部門の責任者を務めるカルディレは、GTプログラムから2016年にF1プロジェクトへ加入。ここ数年のマシン開発において重要な役割を果たしてきた。 今年のフェラーリSF-24は、シーズン折り返しを前に既に2勝をマークしており、カルディレの才能はライバルチームから注目されている。 アストンマーティンはこれまでライバルチームから多くの技術者を獲得。シルバーストンに新ファクトリーを建設し、2026年からはホンダ製のワークスパワーユニットを手にすることとなる。 またストロールは、レッドブルからの退団を決めた伝説的レーシングカーデザイナーであるエイドリアン・ニューウェイを引き抜こうと個人的に動いている。 ただニューウェイは、フェラーリに移籍する選択肢を検討していると考えられている。これが事実であり、カルディレが自身の役割が減るかもしれないと不安の感じているのであれば、アストンマーティンがカルディレを勧誘していることの信憑性も高まる。 なおニューウェイがフェラーリに加入したとしても、2026年マシンの開発においてコンサルタント以外を務める可能性は低いと見られている。またニューウェイの知名度の高さが、ここ数年のチームの躍進を支えたフェラーリ内部の人々の献身を覆い隠してしまうことになるかもしれず、これはフェラーリとしては頭を悩ませるところだろう。 ニューウェイは、F1での次なるステップを決めることに時間をかけたいと考えており、フェラーリのフレデリック・バスール代表もニューウェイとの契約の可能性について多くを明らかにしていない。 イタリアのメディアに語ったバスール代表は、将来起こることを心配するよりも、現在の体制を安定させることが最も重要だと説明した。 ニューウェイと話をしているかと尋ねられたバスール代表は、次のように続けた。 「我々には教養があるから、パドックで会った人とは全員話すんだ! その点に関しては、答えのひとつひとつが解釈されてしまう可能性があるから、何もコメントしたくはない」 「最も重要なのはチームの安定だ。前にも言ったように、我々は良い仕事をしている。正しい方向に進んでいる」 「私にとって最も重要なのは、個人よりもグループの安定だ。現状には本当に満足している」
Roberto Chinchero