奈良時代の斎王宮殿推定地「西正方位区画」について説明する小原主任（右）＝明和町竹川で

　奈良時代の斎王宮殿跡とみられる掘立柱塀（ほったてばしらべい）などが見つかった三重県多気郡明和町竹川の第207次（1区）発掘調査現場で13日午前10時から、斎宮歴史博物館（竹川）による現地説明会があり、熱心な古代史ファン約30人が駆け付け、歴史の謎に聞き入った。 　発掘現場は、史跡西部の中垣内地区に位置し、2016（平成28）年度から飛鳥・奈良時代の斎宮中枢域の調査が行われている。これまでに飛鳥時代の斎宮中枢域が真北から約33度東に傾いた方形区画（斜方位区画）であること、奈良時代では傾斜せず正方位で東西に並列する方形区画（正方位区画）であったことが判明している。 　今回の発掘現場では、新たに飛鳥時代の斎宮中枢域の掘立柱塀跡や建物跡の一部が出土し、建物構造が見えてきた。また斜方位であることの理由として、同館調査研究課の小原雄也主任は「飛鳥時代は地形に合わせた。奈良時代になって方角に合わせた」とした。 　また奈良時代における建物の建て替えは、東西の正方位区画で計6回行われており、それは同じ奈良時代に派遣された斎王の数と一致するといい、「斎王交代のたびに建て替えられたと推測できる」とした。