”ローカル鉄道の再生請負人”鳥塚亮 氏が最終章の舞台に選んだのは大井川鉄道 「”おもしろい”列車を走らせたい」
知名度抜群で鉄道ファンの人気者
また、鉄道業界の中で自身の知名度が高いことを活かした集客にも尽力している。 恒例のビール列車に乗車すると告知したところ、鉄道ファンからの応募が殺到。 乗客から「写真1枚いいですか?」と聞かれた鳥塚社長は「いいですよ」と気軽に応じ、別の乗客からは「社長業がんばってください」と声をかけられた。 さらに「こういう客車を観光で活かしてもらいたい」という声には「冷房ついてないんですよ、熱中症予防が大変。保冷剤配ったりして」と真摯に答える。 東京から参加した乗客: いまはトーマス号で子供たちには有名になっていると思うが、このイベントのように大人が楽しめる空間のプロデュースを期待している 関西から参加した乗客: 鳥塚さんが入った相乗効果でさらにワクワクした鉄道会社になることを僕は期待している。地元にも愛されて、僕らみたいな観光客にも愛される鉄道会社になって欲しいなと 現場で見聞きした話を基に鉄道ファンに刺さる企画を立案し、今後も自らが広告塔を担う考えだ。 鳥塚社長は「『頑張ってください』とか『応援してます』とか『また来ます』とかありがたいです。思っていただけるだけでありがたい」と感謝の思いを口にする。
全線復旧と”おもしろい列車”で再生へ
一方、2022年9月の台風による被害以来、いまだ一部の区間が開通に至っていない大井川鉄道。現在の経営状況を考えると再開は簡単なことではない。 それでも不通区間となっている田野口駅ではその日が来ることを信じて住民やボランティアたちが今も駅舎の掃除をしたり、花を植えたりしてくれている。 田野口駅 花の会・中田安明 会長: 鉄道が地域に必要だと僕らも思っていますので早く電車を走らせてもらいたい、それだけですね 大井川鉄道・鳥塚亮 社長: いま目指さないといけないのは全線復旧です。全線復旧を目指す中で、地域の人たちの期待や希望に会社としてどうやって応えていくかということが大事。いろんな楽しい列車を走らせて、この地域に縁もゆかりもない人たちに来てもらうことが地域の発展につながると私は信じてずっとやってきているので、いろんなおもしろい列車を走らせたいという構想というか”妄想”を持っている 2025年、会社の創立からちょうど100年を迎える大井川鉄道。 これからも地域に、そして鉄道ファンに愛され、必要とされる存在になれるように…鳥塚社長の“最終章”はまだ始まったばかりだ。 (テレビ静岡)
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