「すごすぎる!」地域を活性化させる“移住の達人たち”の活動に驚き 移住アワード選考委員の一人は「自分が恥ずかしくなった」
理想の移住とはどのようなものか──。12月17日、移住先で理想的な暮らしを実現した人たちを表彰するコンテスト「第1回ニッポン移住者アワード」の選考会・表彰式が行われ、7つの自治体の移住者と自治体職員がプレゼンテーションを行った。同アワードの選考委員の一人で、2020年11月に佐賀県唐津市に移住したネットニュース編集者の中川淳一郎氏は、これらプレゼンを目にして、「自分が選考委員をしていることが恥ずかしくなった」と自嘲気味に語る。中川氏が選考会の様子を振り返るとともに、移住者の理想像について考えた。 【写真】佐賀県唐津市に移住して「毎日が楽しい」と語る筆者
* * * 今回の選考会参加者は、移住生活を満喫する人々を取材する『人生の楽園』(テレビ朝日系)に登場するような方々でした。グランプリに輝いた長野県原村の橘田美千代さんは、70歳の時に花を育てる悠々自適の生活をしようと考えて移住したものの、地域に乳児向け保育園がなかったことから、それまでの経験を活かして保育園を作りました。プレゼン資料では16人のスタッフの顔写真が並んでいましたが、それだけの雇用を生み出したわけです。 佐賀県有田町の上野菜穂子さんは、地元の名店を束ねる「うちやま百貨店」を作ったり、一旦なくなった有田のお菓子「ちゃわん最中」を復活させた。三重県桑名市のスペイト・ダニエルさんは、元々英会話講師をしていたものの、日本人の英語上達力が芳しくないことから英会話を教えるというより身につければいいと考え、子供達のための教育施設を作った。 他にも干し芋農家、喫茶店や民泊経営と地元農産物や海産物を使った商品展開をする人、養蜂業、女性の生理中の下着づくりに取り組む人などが、堂々とプレゼンしました。各自、やりたかったことを叶えたり、地域の産業振興に貢献したりと、非常に充実した人生を送っているように感じられました。そして、この人たちに会いにそれぞれの街を訪れたいな、と思わせる魅力を持っていました。多分「ニッポン移住者アワードの選考委員をした中川です」というところから話を持って行けば、「あぁ、○月○日だったら会えますよー」と言ってくれそうなフレンドリーさも持っていました。