ウイリアムズF1、2024年マシン向けに“3方面”からアップデート計画。なお設計部門は2027年まで見据えた開発にシフト
ウイリアムズは2024年の残りシーズンに向けて、3方面からのマシンアップデートを計画しているが、それ以外に関しては2025年マシンに向けて開発が移行しているという。 【動画】共闘ふたたび。コマツ、ウイリアムズF1とパートナーシップを締結 イギリス・グローブを拠点とするウイリアムズは、2023年に低ダウンフォースのサーキットを得意とする一芸に秀でたマシンを持ち込んだが、2024年は比較的オールラウンドに競争力を発揮するマシンを設計しようと試みた。 ただ、ウイリアムズはその結果一歩後退。2023年マシンではアレクサンダー・アルボンがチームを牽引して度々ポイントを持ち帰ることができていたが、今季はRBやハース勢などが速さを見せる熾烈な中団グループで競争力を発揮できずにいる。 ウイリアムズは計4ポイントでサマーブレイクに突入。コンストラクターズランキングでは、ここまで無得点のザウバーをひとつ上回る9番手だ。 しかしチーム代表のジェームス・ボウルズは、ウイリアムズ復活に向けて、長期的なアプローチを維持したいと考えており、サマーブレイク明け直後に3つの分野でマシンを改良していくと説明した。 その3点とは、空力とサスペンション設計、そしてシーズン前半に足かせとなってきたマシン重量の軽量化だ。 「我々はこのサマーブレイク後にアップデートを用意している。ザントフールト(オランダGP)とバクー(アゼルバイジャンGP)、もしくはその次のシンガポールで実施できると良いね」 ボウルズ代表はベルギーGPでそう語った。 「私が言えるのは、ポイントを争うポジションに戻るための本質的な“数字”があるということだ」 「それは多くのことを通じて達成できるモノだ。空力のアップデート、サスペンションのアップデート、そしてマシンの軽量化。基本的には3つの主要分野がある」 「F1の世界では大きなステップだ。ただ、RBが実施したアップデートを外し、メルセデスもアップデートを取りやめたことから、私は控え目な姿勢を取っている。チームは自分たちがやっていることに自信を持っているから、それはあまり見ないことだ」 ボウルズ代表曰く、新しいパーツは製造段階にあるものの、ウイリアムズのデザイン部門は既に2025年マシンの開発に焦点を移しているという。これはチームの長期的なアプローチに則った選択のようだ。 「2025年に向けても投資を行なっている。風洞にあるマシンは2024年のモノではなく、数ヵ月前から2025年のモノが入れられている」とボウルズ代表は説明した。 「このようなことをしているのは、私が2025年に向けて確信があるからではなく、2026年のマシンをできる限り早く風洞に投入し、なおかつ賢明な2025年シーズンを送りたいからだ」 「我々がやっていることは基本的に、2026年に向けて可能な限り早く全てを実現するための前借りだ。リソースが追加されたことで、チームメンバーは2024年、2025年、2026年、そして2027年にも同時に少しは集中できるようになった」 「我々は1年先、あるいは当年度に対して仕事をすることに慣れていた。想像できるように、組織内でそのようなこと(変更)をすると、適応には時間がかかる」 「しかし私が言っているのは秘訣でもなんでもない。メルセデスもレッドブルもやっていることだけど、ウイリアムズにとっては大きな出発点なのだ」
Filip Cleeren