Jackery新製品に見えた、ポータブル電源の新戦略&新トレンド
Jackeryが“ちょうどいいポータブル電源”とうたう新製品「Jackery ポータブル電源 600 Plus」を発表しました。昨今の世間のニーズや変化を反映し、これまでのポータブル電源にはない新しいトレンドがいくつか見受けられました。 【写真】単品で購入するよりも1万円前後安く済むソーラーパネルとのセットモデル。サイズや特徴の異なる2種類のソーラーパネルを用意し、持ち運びや収納など好みに応じて選べるようにした
■2種類のソーラーパネルで高まる防災需要をにらむ 4月22日に発売する「Jackery ポータブル電源 600 Plus」の新しいトレンドの1つとして挙げられるのが「ポータブル電源単体ではなく、ソーラーパネルとのセットモデルを主力に販売する」こと。災害などの停電時でもソーラーパネルがあれば日中に電力を生み出せることの認知や需要が広まっていることを受け、それぞれを単品で購入するよりも1万円前後安く済むソーラーパネルとのセットモデルをメインで販売します。
セットモデル重視の姿勢は、サイズや特徴の異なる2種類のソーラーパネルを用意し、持ち運びや収納など好みに応じて選べるようにしたことに現れています。最大出力はいずれも100Wで共通ですが、オーソドックスな2つ折りのちょっと大きいタイプと、パネルの裏表両面で発電ができる4つ折りのコンパクトタイプの2種類をラインナップします。
トレンドの2つ目が、容量の大きさよりも持ち運びやすさを優先したサイズに仕上げたこと。容量は632.3Wh、定格出力は800Wとあえて控えめにし、重さを約7.3kgに抑えて女性でも片手で持てるサイズにしています。このあたりは「大きくて持ち歩けないものは買っても意味がない」という声に対応したといえます。
トレンドの3つめが、キャンプなどのアウトドア用途ではなく災害への備えを中心に訴求していくこと。パンフレットでも、スマホの充電は約24回、ノートPCの充電は約5回、LEDライトの使用は約50時間、電気毛布の使用は約8時間と、災害などの停電時に使いたい機器がどれだけ使えるかを紹介しています。 災害への備えにシフトしたのは、1月に発生した能登半島地震での経験もあるそう。会社創立以来初めての大震災を受け、Jackeryはポータブル電源やソーラーパネルなどの支援を実施。3月に被災地入りして被災者に話を聞くと、多くの人が「ポータブル電源は一家に一台必要だと感じた」と口々に述べたそう。それもあり、防災を重視する方針にしたそうです。