FBC福井放送

同居していた実の父親に殴る蹴るの暴行を加え重傷を負わせたとして傷害の罪に問われている男は、認知症の母親の介護に関して、父親と口論になった末に犯行に及んでいたことが分かりました。 この事件は勝山市鹿谷町矢戸口の会社員前川健司被告(59)が今年7月、自宅で同居していた父親＝当時(89)＝に対して、殴る蹴るの暴行を加え、腰の骨を折る全治3か月の大けがを負わせたとして、傷害の罪に問われているものです。 福井地裁で17日、初公判が開かれ、前川被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた上で、被告人質問の中で、認知症の母親の介護方針を巡って、日頃から対立していた父親と事件当日に激しい口論になり、カッとなって暴行を加えたと証言しました。 検察側は、外出先では杖が必要な状態だった父親に対する暴行は悪質で再犯の恐れがあると指摘し、懲役2年を求刑しました。一方、弁護側は被告が深く反省していることや、親族などが今後の生活を支援していくと申し出ていることを理由に、執行猶予付きの判決を求め、裁判は即日結審しました。 判決は来年1月10日に言い渡されます。