JAL鳥取社長は活水女子短大出身、注目集まる「女性社長の出身大学」ランキング 私大優位のなかで8位の東大ほか国立大学出身者が増えている背景
JALのような人事は「今後も増えていく」
「国公立大卒」の女性社長では、2020年にマネックスグループ社長に抜擢された清明祐子氏らが知られている。 「昨年6月に女性初の金融グループのトップに就任した『マネックス』グループの清明祐子氏(46)は京都大学出身。三和銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行後、マネックスグループに転じて出世街道を歩みました。あとは昨年、『サントリー食品インターナショナル』の女性初の社長に就任した小野真紀子氏(64)。小野さんは東京外国語大学出身で、サントリーのなかでも完全な国際派です。海外経験が長く、海外から見た日本企業の在り方というものを語れる人物です」(前出・関氏) アプリ会社「coly」を創業し、双子経営者としても注目される「中島姉妹」。姉の中島瑞木副社長(35)は東大出身。妹の中島杏奈社長(35)は早稲田大卒だ。コンサル会社「ビザスク」を起業した端羽英子CEO(45)も東大出身だ。上位に入るような大学は若くして起業する女性も増えてきているようだ。 経済ジャーナリストの大西康之氏は今後、「JALのような大手企業でも女性社長の登用は増えるだろう」と見る。 「鳥取氏が2019年に『客室推進安全本部長』になってから、JALの安全教育の改革が進んだと言われています。鳥取氏がCAとして入社したのが1985年で、同年夏に日本航空123便墜落事故が起きている。だから、彼女の安全に対する意識はものすごく高い。そこが評価されたのではないでしょうか。 JALだけでなく、今後も女性社長は徐々に増えていくでしょう。それは企業にとってプラスの効果を生みます。同じような年齢、学歴、価値観、国籍の人たちが集まると、どうしてもNOと言えない風通しの悪さが出てくる。しかし、話し合いの場に女性がいたり、多様性が生まれたりすると、空気も変わるはずです」 男女雇用機会均等法が施行されたのは1986年のことで、JALの鳥取社長やサントリー食品インターナショナルの小野社長は施行前の入社、DeNAの南波社長は施行された年にマッキンゼーに入社したいわゆる「均等法第一世代」だ。そうした60歳前後の女性経営者の活躍に加え、女性の差別的扱いを禁じた1999年改正法施行後の均等法第二世代やそれ以降の世代の台頭も目立ってきている。 女性経営者がもっと活躍できる社会が、少しずつ実現に近づいているということなのか。